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【テキスト版】
ほぼ5分でわかる人生相談Q&A
幸せな人生の極意!

第192回 日本仏教の宗派と特徴について教えてください➁

ナビゲーター:阿部美樹

(動画版『ほぼ5分でわかる人生相談Q&A』より)

 皆さん、こんにちは!

 今回も、「日本仏教の宗派と特徴について教えてください」という質問に対してお答えします。

 今回は日本の仏教を①奈良時代まで ➁平安時代 ③鎌倉時代以降の三時代に区分して、中心的な「仏教13宗派」について解説する後半です。

 前回は、奈良時代までと平安時代の五つの宗派を解説しましたが、今回は「鎌倉時代以降」です。
 この時代は、「禅宗(ぜんしゅう)系」「日蓮(にちれん)系」「浄土(じょうど)系」などに区分されます。

 禅宗系は「日本三禅宗」といわれる栄西(えいさい)の臨済宗(りんざいしゅう)、道元(どうげん)の曹洞宗(そうとうしゅう)、隠元(いんげん)の黄檗宗(おうばくしゅう)です。

 仏教では悪を征する「戒(かい)」、心を静める「定(じょう)」、知恵の「慧(え)」の三学があり、禅宗は「定」に力を入れます。
 禅定の「定」では、心を集中させて座禅をすれば、戒や慧はついてくると考えます。

 臨済宗には「公案禅(こうあんぜん)」という一休さんの謎解きのような禅問答の修行法があります。
 また曹洞宗では、「只管打坐(しかんたざ)」といって、ただひたすら座禅に打ち込むことで悟りの道を行こうとします。

 次は日蓮の日蓮宗です。
 13の宗派の中で唯一開祖の名前が宗派の他の宗派に対して否定的に厳しく攻撃する「四箇格言(しかかくげん)」が有名です。

 日蓮宗は「南無妙法蓮華経」の題目を唱えれば、法華経を読むことと同じ功徳があると説きました。

 今まで解説してきた宗派は自力修行の仏教でしたが、これから紹介する浄土宗は南無阿弥陀仏の救いによる他力を説く仏教です。

 浄土教系には、法然(ほうねん)の浄土宗、親鸞(しんらん)の浄土真宗(しんしゅう)、一遍(いっぺん)の時宗(じしゅう)、良忍(りょうにん)の融通念仏宗(ゆうづうねんぶつしゅう)があります。

 融通念仏宗は、拠点を持たずに各地で布教しました。「融通」とは全ての者に融け合って隔たりなく相通じるという意味です。
 一人が唱えた念仏が他の人の念仏と融け合い大きな功徳になると説きます。

 時宗とは、1日に6回決まった時刻に念仏などを行う宗派です。また、救われる喜びを表す「踊り念仏」(大慶喜/だいきょうき)というものがあります。

 浄土宗の開祖は法然であり、阿弥陀仏が住む極楽浄土に往生することを説きます。
 そのためには「南無阿弥陀仏」と念仏することで可能になります。「南無」とは「帰依する、信じてすがる、よりどころにする」という意味があります。自力で悟るのではなく、他力(阿弥陀仏の本願)に頼る「他力本願」の信仰です。

 広く民衆にも届く救済を広げました。総本山は、京都市東山区にある「知恩院(ちおんいん)」です。

 法然が亡くなった後、五つの流派に分かれます。そのうち浄土宗を名乗った四つの流派は「浄土四流(しりゅう)」と呼ばれます。

 残りの一つが親鸞の浄土真宗です。浄土真宗というのは阿弥陀仏の本願のことであり、宗派の名前ではありませんでした。
 親鸞は法然の弟子であり、法然の教えの通りに伝えていただけですが、他の浄土宗と区別するために「浄土真宗」といわれるようになりました。

 親鸞は、法然の教えである「他力本願」をより深く追求し、1回の念仏でも救われるという「絶対他力」を説きました。
 親鸞は比叡山で20年間修行しましたが、天台宗の僧に絶望し、自力修行の限界を感じて、法然を訪ね、そして新たな道を見いだしました。

 今までの僧にはなかった「妻帯」したことでも有名です。
 本山は京都駅の近くにある東本願寺(真宗大谷派/しんしゅうおおたには)と西本願寺(浄土真宗本願寺派/じょうどしんしゅうほんがんじは)です。
 親鸞は、法然と共に「鎌倉新仏教の二大宗祖(しゅうそ)」とも呼ばれました。

 このような仏教の特徴を統一原理の観点から見ると、ひたすら座禅する禅宗は、「瞑想(めいそう)や祈り」に通じますし、題目や念仏を唱えるのは「み言の訓読」に近いともいえます。

 また、自力と他力について、統一原理では、救いは神の95%の責任分担と人間の5%の責任分担によってもたらされると考えています。

 それ故、「他力」という側面と、「自力」という側面の両方を併せ持つのが統一原理なのです。
 このような観点を持って宗教の共通点に注目していきましょう。

【参考】
YouTube「日本仏教13宗派分かりやすく全解説」(筬島正夫氏)


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