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ほぼ5分で読める統一運動 4
再臨摂理と神霊集団

稲森 一郎

 統一運動の始まりを探っていくと、韓国という国の特殊性にぶつかります。
 それは、キリストが再び来るという聖書の約束が韓国で成就するということです。
 神は朝鮮半島において、どのように再臨摂理の準備をされたのでしょうか。

 1920年の文鮮明(ムン・ソンミョン)師の誕生以降、すなわち、1920年代から40年代にかけて、韓国は非常に強いキリスト教信仰が広がっていましたが、特に半島北部(現在の北朝鮮)において、キリスト教は信仰の炎を燃やしていました。

 中でも、神霊教団と呼ばれる非常にスピリチュアルな信仰集団が形成されており、それらのグループにおいて、再臨主を待ち望む信仰は、全てを投げ捨てて、主を迎えようとする驚くべき信仰を示しました。当時の平壌は「東洋のエルサレム」と呼ばれるほどでした。

 李龍道(イ・ヨンド/19011933)牧師が、1920年代から30年代にかけて、世の終わり(終末)を叫び、信仰復興の嵐を呼び起こし、イエスの再臨を激しく語ったことは、韓国のキリスト教信徒たちが、他の国のどこよりも、来るべき再臨の主に熱烈な思いを寄せるきっかけになりました。

 洪順愛(ホン・スネ/韓鶴子〈ハン・ハクチャ〉総裁の母、19141989)女史の証言です。

 「19歳になった時に、李龍道牧師が新しい役事を始めたので、私も3日間の恵みを受けました。また李龍道牧師と同じ復興師であった黄国(ファン・クㇰュ)氏が、人々に多くの恵みを与えました。黄国氏の一派は約50名余りだったので、間島から新しい役事を起こして、韓半島を巡回していました。彼らは小麦粉に水を入れた物を飲みながらも、復興集会の時には激しく祈祷し、霊的な復興を行いました。

 …また黄国氏には黄ウンジャという妹がいましたが、彼女は自分の兄のようにとても多くの火(聖霊の火)を受けたのでした。私は李龍道牧師から3日間恩恵を受け、黄国氏の妹からも大きな感銘を受けました。

 それで黄国氏の妹と、彼の父親、伝道隊員、そして私の6名で伝道に出発しました。安州を出て新義州まで歩きながら、『悔い改めよ、天国が近づいた』と叫びながら伝道しました。イエス様が行われたとおりにやったのです」

(光言社『ファミリー』〈198710月号〉より)

 李龍道牧師と同時代人である白南柱(ペク・ナムヂュ/1901~1949)氏も、スウェーデンボルグに傾倒し、元山を足場に、李龍道牧師の信仰復興運動の流れに合流しました。

 金聖道(キム・ソンド/18821944)という女性宗教指導者は平安北道の鉄山で聖主教を創設し、1923年、入信状態でイエスに会い、「原罪は知恵の樹の実を食べたことから来たのではなく、淫乱が堕落の動機だった」と告げられます。

 彼女の教えを受け継いだ許浩彬(ホ・ホビン)女史は、天から啓示を受ける時、お腹が動くということで「腹中教」という名の神霊教団を創設しました。

▲右から二人目が洪順愛女史

 この許浩彬女史に仕えていたのが韓鶴子総裁の母、洪順愛女史です。
 とにかく、1930年代から40年代の韓国キリスト教の各神霊教団の動きは活発であり、彼らの動きは最終的に一つの流れをつくり、文鮮明師につながっていく天の摂理の展開を見るのです。

 1930年代~40年代に信仰復興の神霊的な動きが韓国であったという事実は、韓国が、「主が再び来られる国」であることの動かしがたい摂理的証拠として受け入れることができるでしょう。
 主の再臨は、神霊に触れなければ、誰にも分からない神秘的出来事なのです。