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男女の違いと夫婦の関係 31

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「男女の違いと夫婦の関係」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。
 あなたは知っていますか? 男性と女性の違い。同シリーズでは、男女の考え方の根本的違いを知り、夫婦がお互いを理解しあって、本当の「幸せ」をつかむためのキーポイントをお伝えします!

松本 雄司・著

(光言社・刊『男女の違いと夫婦の関係-ほめられたい夫 愛されたい妻-』〈2019年3月30日第4版発行〉より)

第二章 男と女の違いと結婚生活

2 相手に対する期待の違い

3)家計についての責任

 次は「経済的能力について」です。

 男性は、結婚したその日から生涯下ろすことのない「ある重荷」を背負うことになります。そして一生ずっと、そのプレッシャーを感じながら生きています。
 それは、家族を養う一家の大黒柱として「妻と子供に惨めな思いをさせてはいけない」という使命感、責任感です。これは女性には分からない世界があります。

 「いや、そんなことないわよ。私だって会社で働いているわよ」と言う女性がいるかもしれませんが、やはりプレッシャーの質が違います。その証拠に、女性が勤めている所を辞めるといっても、それほど葛藤(かっとう)はしません。
 しかし、男性にとって経営が不調だとか、会社が倒産するとか、クビになるとか、左遷されるとか、転職するということがどれほど深刻でしょうか? 簡単ではないのです。非常に悩みます。
 なぜかというと、そのことによって収入が左右される、即、自分の責任を果たせなくなるからです。家族の衣服費、食料費、住居費、医療費、子供の教育費、車の維持費からレジャーの費用まで、ありとあらゆる面において、「寂しい思いをさせてはいけない」「惨めな思いをさせてはいけない」という気持ちが男性には本能的に強いのです。
 だからどうしても仕事第一になり、仕事を一生懸命すること自体が「妻への愛」だと思うのは無理のないところがあります。

 男性にとって仕事のウエイトがどんなに大きいかということは、クビになったり、事業が失敗したり、多額の借金を抱えた場合、仕事上の責任から死を選ぶことがあることからも分かります。バブル崩壊後の日本では、この種の熟年男性の自殺が急増しています。

 女性から見れば「なぜ、勝手に自殺なんかするの? 家族のことも考えないで」と思われるかもしれません。しかし男性にとってはそれくらいウエイトが大きいのです。

 女性が仕事上の責任を取って自殺するということはめったにありません。そういう意味では、妻は夫の仕事の状態や事情については関心を持って聞いておくことが大切です。
 そして、本当に男性が苦悩している時を察知して心の支えになれなければいけません。

 しかし一方、女性は究極的には「愛に生きる」世界がありますから、その面では男性の理解を超えた世界があります。愛し慕った男性が旅立ったとき後を追って死ぬようなことがありますし、逆に、信じ切った男性から完全に裏切られたときに死を選ぶ、そういうこともあります。そこにも男性と女性の違う特性を見ます。

 ですから、男性は気を付けないと、仕事一本になるあまり、妻の心の空洞に気がつかないことがあります。
 妻としては、夫がどんなに出世しても、仕事一本きりで自分のことをほとんど構ってくれなくなると、決して満足できません。「自分に対して優しくない」「構ってくれない」「この人は私を愛しているんだろうか……」という思いが強くなり、だんだん不満がつのります。

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 次回は、「男は仕事、女は子供のことが頭から離れない」をお届けします。

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◆同シリーズの前作「うまくいく夫婦仲の法則」はコチラから