2024.05.29 17:00
天一国主人に育む「神様コーチング」21
「成長コーチング」の第3、第4ステップ
ナビゲーター:阿部 美樹
第3ステップ「現状把握」
相談テーマに対してゴール設定を行ったら、次の段階は「現状把握」です。
ゴールに対して、現在はどこにいるのかを明確にする必要があります。
しかし「現状はどうですか?」と尋ねると、「現状のできていないこと」や「悩み」を語ることが多くなり、正確な現状把握ができません。
「今、どこにいますか?」という質問に対して、「ゴールがあまりにも遠くて困っています」「行けるかどうか不安です」という返答では答えになっていないということです。
現状把握は、できていない部分よりも「できていること」の確認が必要です。
その場合、次のような質問があります。
質問例:
「ゴールに到達した姿を100%とすれば、現状は何%ですか?」
パーセンテージで答えるのは難しいのですが、直感的に答えてもらいます。
質問例:
「現状は何ができていますか?」
「10%」と答えたならば、「その10%とは、何ができているからですか?」と質問した場合、できている部分を語りながら、ゴールに向かっての出発する意識と意欲が出てきます。
第4ステップ「問題・課題の把握」
「問題」や「課題」という言葉を日頃よく使いますが、その違いを明確に意識している人は少ないと思います。
問題構造学から見ると「問題」と「課題」は全く違います。
「問題」とは、「ゴール(在るべき姿・在りたい姿)と現状のギャップ」のことです。
例えば、定員200人のイベントを開催するという在りたい姿があったとしましょう。
しかし、現状は100人ほどしか見通しが立っていません。その場合、「100人が足りない」というギャップがありますが、これが問題となります。
問題は困っていることや悩んでいることではなく、「ギャップ」のことです。
そのギャップを解決するための優先順位の高いアクション(解決すべきこと・解決できること)が課題です。
例えば、足りない100人を動員するために可能性のある人に担当を3人立てて電話をする、保育室を準備して親が安心して参加できるようにするなどの有効なアクションのことです。
この時に、「天気が良かったら人が来る」と考えても、天気をコントロールすることはできないので、それは課題になりません。
「問題」とは、字のごとくテーマに対して「どうしたら良いか?」という問いです。
「課題」は、テーマに対して「何をするか?」という課せられた答えになります。
そこで、次のような質問があります。
質問例:
「現状が〇%ということは、ゴールの100%に対して〇%のギャップがあるということですか?」(問題把握)
「ゴールと現状を見ると、どのようなギャップを感じますか?」
ここで深掘りして尋ねると、深い悩みの世界に入ってしまい、前に進むよりも難しいのではないかというネガティブな思考になることもあるので、簡単に確認をする程度でよいでしょう。
質問例:
「そのギャップを解決するためには、できるとしたら最も必要なことは何ですか?」
「解決するために有効なことは何ですか?」
企業の営業戦略を考えるビジネスコーチングの場合は、この部分の深掘りが必要ですが、人生相談の場合は「最も大切なことを一言で表現するとしたら…」「大切なキーワードは何ですか?」という抽象的な表現でも十分です。
このキーワードを意識しながら次のステップに進むことができます。
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