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青少年事情と教育を考える 266
「精神的健康」を高める休日の過ごし方

ナビゲーター:中田 孝誠

 前回に続き、体験活動についての調査から、放課後や休日の過ごし方を取り上げたいと思います(国立青少年教育振興機構「青少年の体験活動等に関する意識調査」、今年3月公表)。

 小中高生の放課後や休日の過ごし方として、平均すると「テレビ、音楽」「勉強」「ゲーム」「体を休める、寝る」「運動やスポーツ」「ボランティア活動」「家事や家族の世話をする」「キャンプ・登山などの野外活動をする」「塾・習い事」「アルバイト」などをよくする子ほど、過ごし方に「満足している」という回答が高い傾向がありました。

 一方で、「インターネットで動画やSNSをみたり、投稿したりする」ことが多い子は満足度が低く、ほとんどしない子の方が高くなる傾向が見られました。

 そして過ごし方に満足している子ほど、「精神的健康」(世界保健機関が開発した指標を元に分類しています)が高くなります。

 例えば、休日に「ボランティア活動」をよくする子では精神的健康が高い層が66%、「キャンプ・登山などの野外活動」では61%、「家事や家族の世話」「友だちと遊ぶ」などが51%でした。

 もちろん、満足する過ごし方は子供の年代によっても若干異なります。調査報告書は、小学生と中学生では「テレビをみたり、音楽をきく」と「習い事に行く」、小学生ではさらに「ボランティア活動をする」が精神的健康度を高めていることに注目しています。また、高校生では「ボランティア」と「アルバイト」でした。

 そして、今まで注目されてきた「体験活動」だけでなく、日常的な「体験」である放課後や休日の過ごし方にも留意する必要があると述べています。

 習い事やアルバイトは大切な居場所の役割とも考えられますし、ボランティアは他の人との関係性で良き体験となっているのではないかと考えられます。

 この調査では、自然体験や生活体験が子供たちの自己肯定感や道徳観・正義感などに良い影響を与えていることを示唆しています。
 それと共に、日常の過ごし方、特に人との関わりが大切であることを改めて感じさせられます。