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青少年事情と教育を考える 265
放課後や休日、高2の8割が「体を休めたい」

ナビゲーター:中田 孝誠

 自然体験や生活体験が子供たちの心身の発達に好影響を与えるという研究を、本欄でも何度か取り上げました。

 今回は、体験活動についての調査から、子供たちの放課後や休日の過ごし方を見てみたいと思います(国立青少年教育振興機構「青少年の体験活動等に関する意識調査」、今年3月公表)。

 これによると、「放課後や休日にしてみたいこと」として、小学4年生から中学2年生にかけては「テレビをみたり、音楽をきく」(小4:66%〜中2:80%)、「インターネットで動画やSNSをみたり、投稿したりする」(40%〜76%)などの項目で学年が上がるごとに増えています。

 また、学年による変化はありませんが、「ゲームをする」(70%前後)、「友だちと遊ぶ」(60〜70%)も比較的多く上がっています。

 一方、高校生(調査対象は2年生)で目立ったのが「体を休める、寝る」で8割を超えました(84%)。
 この項目は小4が50%で、学年が上がるごとに増えています。

 子供たちの実際の過ごし方は、「テレビ、音楽」「勉強」「ゲーム」「体を休める」「運動やスポーツ」「インターネット」などが多くなっています。
 こうした過ごし方に「満足している」という子は、平均すると70〜80%ですが、学年が上がるごとに満足感が減っています。

 例えば放課後では小4が74%だったのに対して、中2は60%、高2は57%です。休日では、順に88%、72%、63%でした。

 興味深いのは、「体を休める」や「テレビ、音楽」など上記のような過ごし方をよくするほど満足感が高い傾向がありましたが、一つだけ「インターネットで動画やSNSをみたり、投稿したりする」ことが多いほど、満足感が低くなる傾向が出ています。

 ちなみに、小学生の保護者は子供たちに「運動やスポーツ」「友だちと遊ぶ」「勉強」「キャンプや登山などの野外活動」をやってほしいと期待していました。

 今回の調査はコロナ禍の中で行われているため、従来の調査と単純に比較することはできませんが、自然体験や生活体験が近年減少していたことは確かです。

 子供たちの放課後と休日の過ごし方について改めて考えてみる必要あるのではないでしょうか。