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心をのばす子育て 39

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「心をのばす子育て」を毎週土曜日配信(予定)でお届けします。
 子育ての本質を理解し、個性に合わせた教育で幸せな家庭を築くための教材としてぜひお読みください。

長瀬雅・著

(光言社・刊『心をのばす子育て7つのポイント』〈2002210日第2版発行〉より)

5、知の教育

②頭の知的教育

■自信を育てるためには

●最後まで自力でやらせる
 才能を伸ばすための自信を育てるためには「最後まで自力でやる」ことが重要です。途中で挫折(ざせつ)すると自信がなくなり、何事にも最初からあきらめるようになってしまいます。始める前から「また途中でだめになる」と思って、チャレンジできなくなってしまいます。
 ですから、子供には最後までやらせることです。それもなるべく親が手助けしないで、もし助けるにしても最後は子供に任せます。子供には最後まで自分でやったという自覚が大切なのです。

 「自力でやり遂げた」という達成感が自信になっていきます。喜びにつながるのです。勝利感は最後までやらないと生じてきません。
 もし自信のない子供がいたら、何でもよいですから一つのテーマをやり遂げさせてみることです。「毎日町内を一周する」でもかまいません。それを一定期間続けるのです。半年か一年、雨になろうが雪になろうが、これを続けてやり遂げたら自信につながります。

 あまり子供の行動に手をかけすぎると、子供は親がいないとどうなるか分からないので、自信がいつまでも育ちません。その結果、困るとすぐ頼るようになってしまいます。これが過保護ということです。
 親のほうも自分が面倒を見ないと子供はどうなるか分からないので、子供を信じることができなくなります。親は子供のためにやっていると思っていますが、子供をダメにしているのです。このタイプの親が一番問題です。自分が間違ったことをしているという自覚がないからです。
 子供を成長させたいなら、子供に任せて見守りましょう。よく観察して子供が本当に大変な時に、求められたら少しだけ手助けして下さい。

●誉(ほ)めて、認める
 自信は自己評価ですから本人が自覚する必要があります。そのために必要なのは認めて、誉めてあげることです。そのことによって子供は自覚し、自信につなげていきます。
 逆に、親の過剰な要求のために何をやっても認められず、誉められず、たまにいい点でも取ると「あら、明日は雨かしら」とか「みんな、できたんじゃない」と皮肉を言われていたら自信は育ちません。その子はそのうちにやる気を失ってしまうでしょう。いったんやる気を失うと、修復は本当に大変です。

 例えば、自分は音痴だと思う人は数多くいますが、専門家によると誰でも訓練すれば直るのだそうです。つまり音痴なのは訓練していないからだというのです。

 この人はたぶん小さいころ「あなたの歌はおかしいわね」とでも言われたのでしょう。その瞬間に自信を失ったのです。自信を失うと人前で歌うことを拒否します。歌わないからいつまでたっても上手にならないのです。

 自信を失ったら才能は伸びません。子供の足らないところや欠点ばかり見つめていたら子供は成長できません。子供の才能を伸ばそうと思うなら、たとえ下手な歌でも「上手ね、宇多田ひかるみたいね!」とでも言いながら誉めていくのです。子供が自信をもったら人前でも堂々と歌うようになります。歌っていくうちにだんだんと上手になっていくのです。

 子供の良いところを見つめてあげるのです。その良いところは高い基準を立てないで、極端にいえば朝元気に起きてくる、大きな声であいさつができる、にっこり笑える、このようなことから誉めて、認めてあげます。そして年齢とともに徐々にこの基準を高めていきます。

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 次回は、「誉めることから、励まし期待する」をお届けします。