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心をのばす子育て 38

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「心をのばす子育て」を毎週土曜日配信(予定)でお届けします。
 子育ての本質を理解し、個性に合わせた教育で幸せな家庭を築くための教材としてぜひお読みください。

長瀬雅・著

(光言社・刊『心をのばす子育て7つのポイント』〈2002210日第2版発行〉より)

5、知の教育

②頭の知的教育

自信と喜びが才能を伸ばす

 子供の個性や能力は、親にとってみると宝探しです。その子のもっている「いい面」を探すことが大切です。
 そして大切なことは、子供自身がそのいい面を認識しなければ伸びないということです。そのためにはそれを言葉に出して「あなたはこういういい面があるのね」と言ってあげます。この言葉かけが重要です。この言葉によって子供は、はっきりと自分のいい面を認識して「自信」をもちます。

 自信をもった時、子供は伸びます。そして一つ自信をもつと、さらに他に波及していき、いろいろな才能が伸びていきます。一つでも自分にはこれがあるんだと、自信ができた子は強くなります。全く自信のない子(自己評価の低い子)は本当に成長しません。
 自信とは自分を信じることです。自分の可能性を信じられなければ、チャレンジできません。自分で自分を抑えてしまうのです。自分の意識が自分の能力を閉じているのです。
 メンタルブロックの一番は自己評価の低さです。「どうせ自分は頭が悪いんだから」「どうせだめに決まっている」と、結果を先取りして何もしなくなるのです。

 例えば昔からの言い伝えですが、ノミを小さい箱に入れてしばらくすると、その箱の高さしか飛べなくなってしまいます。何もなければピョンピョンと高く飛んでいるのに、箱にぶつかっているうちに箱から出してもその高さしか飛べなくなるのです。自分の限界を自分で規制してしまうのです。

 子供の自己評価が低くなるのには原因があります。最初から低い子はいません。何かの原因で低くなってしまうのです。その原因はやはり親です。親の「あなたは何もできないのね」「あなたはグズね」「あなたは頭が悪いのね」といった、子供をバカにした言葉かけです。こんな言葉を言い続けられていたら、子供の自己評価が高くなるはずがありません。子供は自信を失って、やる気をなくしていくことでしょう。

 自信をもつことのほかに才能を伸ばす方法は、それを好きにさせることです。人間は情が一番強いので、行動の最も大きな原動力は「喜び」です。しかし最初から面白いというものはそんなにはありません。
 「幸せな人というのは好きなことをやっている人ではなく、やっていることを好きになれる人である」と述べた人がいました。子供に教えるのは、「どうしたらやっていることを好きになれるか」ということです。

 情が育つには時間がかかります。時間をかけないと楽しさは分かりません。喜びを見いだすためには、まず「やってみて(チャレンジ)」次に「時間と情を投入する」ことです。

 この時間と情を投入することを「愛する」と言います。好きになるためには愛することです。そして、真剣にやってみると大概のものは面白いものです。そして、好きになると、少々の苦労は問題になりません。どんな苦しい練習でも頑張るでしょう。
 そして上達するためには、主体的に行動し考えます。そこに創意工夫といった創造性が生まれてきます。つまり、愛することによって好きになれば主体性も創造性も自然に生じてくるのです。

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 次回は、「自信を育てるためには」をお届けします。