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心をのばす子育て 37

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「心をのばす子育て」を毎週土曜日配信(予定)でお届けします。
 子育ての本質を理解し、個性に合わせた教育で幸せな家庭を築くための教材としてぜひお読みください。

長瀬雅・著

(光言社・刊『心をのばす子育て7つのポイント』〈2002210日第2版発行〉より)

5、知の教育

②頭の知的教育

■創造性を育てる

●失敗に対する哲学
 このチャレンジ精神のために身につけなければならないものがあります。それは「失敗に対する哲学」です。
 チャレンジするということは常に「失敗する可能性があることに飛び込む」ということです。子供は何もできないところからスタートするのですから失敗は当然です。失敗をとがめたら絶対に子供は伸びません。失敗を恐れる子にチャレンジする精神は出てきません。
 失敗に対して「恐れなくてもいい」とか「失敗していいんだよ」とか「下手でもいいんだよ。思ったとおりにやることが大切なんだよ」と言ってあげると、子供はチャレンジする勇気をもつようになります。

 さらに大切なのは、失敗をどうとらえるかという発想です。それは「失敗は発見。失敗は勉強」という考え方です。
 例えば、外食する時に、だいたい決まった店に行くという人といろいろな店に行くという人がいます。お店に入った時にいつも同じメニューを注文する人といろいろなメニューを頼む人がいます。
 毎回決まった店に行き、同じものを注文する人は、創造的というよりは保守的なタイプの人です。新しいものを頼まない背景には、新しいものを頼んだ時、もしまずいものが出てきたらショックだからです。だから頼めないのです。いつもの料理ならだいたいこれくらいの感動を得られると想像がつきます。そういう注文が悪いわけではありませんが、毎回となると全く発展がありません。
 ですから、もしまずい料理が出てきたら失敗したと考えないで、「これはまずい料理だということを発見した。一つ賢くなったんだ」と発想を変えるのです。そうすると失敗が喜びに変わります。
 この発想があれば新しいことにチャレンジできます。まずい料理が続いて、ある時、おいしい料理に出合ったら感動します。まずい料理が続いたほうが感動するのです。

 このようにその人を変えるのも勇気づけるのも、すべてその人の発想、とらえ方なのです。失敗を恐れてしまうと無難な人生を送り、発展性がなくなってしまいます。
 失敗に対する発想が変わらないと創造性・才能・個性は伸びません。失敗していいのです。逆に失敗することが必要だということを教えてあげるのです。「失敗は成功の母」です。人生は一発勝負ではなく、ボクシングのようなものです。第一ラウンドで失敗しても第二ラウンドで勝利すればよいのです。そう考えることによって失敗は成功の母になります。
 うまくいった時より、失敗した時のほうが多くのものを学びます。そうして失敗を恐れなくなったら、その子は何事も恐れずチャレンジするようになります。そうすれば、創造性・個性・才能が啓発され、子供は成長していきます。

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 次回は、「自信と喜びが才能を伸ばす」をお届けします。