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心をのばす子育て 36

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「心をのばす子育て」を毎週土曜日配信(予定)でお届けします。
 子育ての本質を理解し、個性に合わせた教育で幸せな家庭を築くための教材としてぜひお読みください。

長瀬雅・著

(光言社・刊『心をのばす子育て7つのポイント』〈2002210日第2版発行〉より)

5、知の教育

②頭の知的教育

■創造性を育てる

●チャレンジ精神
 今の日本の学校教育には知識教育は豊富にあります。問題は、学んだものをどう生かすかという出力にあります。この出力(知性)の中で最も大切なものが「創造性」です。
 創造性は教えることができません。創造性は育てるものです。親として何をしたら、子供の心に創造性や個性や才能が育ってくるのでしょうか。その種を植えつけたら、後は子供に任せます。
 ただ、創造性があっても知識がないと生かせません。ですから勉強も当然大切です。

 創造性とは新しいことをやるということです。ですから、創造性を発揮するには、新しいことにチャレンジする心がなければなりません。

 幼児期に芽生えた自発性に、チャレンジ精神を与えることが創造性を育てることにつながっていくのです。
 後はこのチャレンジ精神をもって具体的に体験するだけです。創造性を発揮するには、発揮する場、環境が必要です。

 また、この体験学習を通して子供の個性や才能も発見できます。子供の個性や才能は表面に見えるものではありません。子供の個性や才能を見つけるためには、いろいろなことをやらせてみるしかありません。
 やっているうちに子供が面白いと感じるものが出てきます。実はそれこそが子供の個性なのです。そして個性に合ったものをいろいろやっているうちに、だんだん伸びてくるものが見つかります。それが才能です。
 どんな素晴らしい個性や才能を秘めていても、何もしなければ発揮されないままに過ぎていきます。体を使って体験して初めて発見できるのです。

 ですから、若い時はいろいろやってみることが必要です。そうすると、裾野が広がり、その中から才能が伸びてくると富士山みたいな人間になるのです。こういう人間は挫折(ざせつ)に強いのです。
 ところが若いころから一つのことしかない人は、目的が達成されると燃え尽きてしまうことがあります。やる気を失ってしまうのです。燃え尽き症候群(バーンアウト症候群)と言います。甲子園を目標にして頑張ってきて、甲子園に出た途端に目標を失って燃え尽きてしまうといったような現象です。
 また途中で挫折した場合、ほかに何もないと立ち直れないということが起こります。

 例えば、あるスポーツを小さいときからやってきて、頑張っているうちは好きなことをしていたので良かったのですが、体を壊してクラブをやめた途端に非行に走ったということがよくあります。それは次の目標が見つからないからです。
 ですから小さい時はいろんなことにチャレンジさせて、裾野を広げてあげたほうが良いのです。

 ただ、いきなりチャレンジしろと言うのは子供には酷です。初めは親と一緒にやります。そのうちに少しずつ自分一人の力でできるように導きます。このように徐々にチャレンジすることを学んでいくのです。
 いきなり最初から一人でチャレンジさせるのではありません。一人前になるまでに身につければよいのです。

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 次回は、「失敗に対する哲学」をお届けします。