家族の絆づくり 34
あなたは、教える人? 尋ねる人?

ナビゲーター:阿部 美樹

主体性や自主性が必要な時代
 上司や先生、親など、人の上に立つ立場の人は、部下や生徒、子供たちに豊富な知識と経験に基づいて教えようとします。しかし、今の時代は知らないことはインターネットで検索すればすぐ分かりますし、瞬時に全世界の情報が手元で把握できる時代を迎えています。今は、情報をどのように取捨選択して活用するかが問題になっています。

 かつては「教えや指示を受け止める素直さや従順さという対象性」が問われていましたが、今の時代は「自分で課題や目標を見いだし、自らの力で解決、達成する自主性や主体性」が大切なのではないでしょうか?

「あなたは、どう思うの?」という質問
 かつては「言われたことに対する理解力」が必要でしたが、自主性や主体性を身に付けるためには「自分で考える力」がまず必要になります。考える力を高めるためにはどうしたらいいでしょうか?

 何事も考えるきっかけになるのは「質問された時、尋ねられた時」です。質問されたことに対して「それは…」と、答えや解決策を求めて、最善の道が何かを考え始めます。
 家庭の中でも、職場の中でも、質問を投げかけ続ければ、考える習慣が身に付いていくことでしょう。

 答えややり方を教えようとせずに、「あなたは、どうしたらいいと思いますか?」と質問して考えさせるのです。その時、自由に考え、自由に話ができる雰囲気が必要です。上司や親はどんな答えを期待しているのかと萎縮したり、気にしていては意味がありません。

 教える人から尋ねる人になりましょう。