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幸福への「処方箋」26

 「幸福への『処方箋』」を毎週火曜日配信(予定)でお届けいたします。

野村 健二(統一思想研究院元院長)・著

(光言社・刊『幸福への「処方箋」~統一原理のやさしい理解』より)

第四章 真の神主義

真の神主義
 さて、この四種の人生観の特徴を比較してみると、利己主義と利他主義には全体に対する配慮がなく、利己主義は“私”から、利他主義は“あなた”から出発しています。公益主義は“全体”から出発していますが、その全体を存在あらしめた“神”への配慮が欠けています。

 それに対して、統一原理の神主義は、まず神から出発して、その神が創造した“世界全体”のことを考え、そこを出発点として、目下かかわり合っている「あなた」と「私」との関係を考えます。それもまず「あなた」を優先させて、あなたに何を「与え」、「私」が何を「受ける」かというように考えていきます。これが「授受作用」ということで、「授(与える)」が先で「受(受ける)」は後なのです。

 統一原理の「正分合作用」という概念の成り立ちが正にそのようになっています。すなわち、まず神の心情(愛)と創造目的を土台として、あなたと私の共通目的、共通事情をとらえることが最初の出発点でこれが「正」です。その共通目的、共通事情のもとに自分と相手のうちどちらかが主体、残りが対象となって授受作用を行い(この主体と対象の分立が「分」に当たる)、その結果、合性体(主体と対象の調和の実現)、あるいは新生体が形成される。これが「合」です(図参照)。

 このように、神を中心として「共通目的」を立ててそのもとに「授受作用」を行うというのが統一原理の行動の進め方の基本です(このうち主体と対象の決め方については第五章で取り上げます)。―このようにすれば、どことも衝突を起こすことなく円滑に事を進めていくことができ、自分も相手も幸福に向かって着実に一歩一歩前進することができるでしょう。

 以上は、統一原理の神主義のどちらかといえば知的側面です。これより重要なのは愛の問題です。この愛のあり方を、主体と対象の決め方とからみ合わせて次章で扱うことにしましょう。

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 次回は、「堕落性本性の根本」をお届けします