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真の父母様の孝情を学ぶ 30
忍耐なくして勝利することはできません①

 『ムーンワールド』で連載中のコーナー、「真の父母様の孝情を学ぶ」を隔週日曜日(予定)でお届けします。
 韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁(真のお母様)の自叙伝『人類の涙をぬぐう平和の母』からの抜粋をイラストとともにつづるコーナーです。

 今回は、「忍耐なくして勝利することはできません」(126127ページ)からの抜粋です。

 「あれ、また靴がなくなった」

 その言葉を言い終わらないうちに、周りの人たちも残念そうにため息をつきます。貧困は時に、人間に悪い思いを抱かせるようです。日曜日の礼拝が終わると、下駄箱に入れておいた信徒の靴が12足なくなっていることがたまにありました。礼拝中に教会に来て、こっそりと良い靴を履き、出ていくのです。

 私はお金が少しでもできると、それをコツコツ貯めておき、靴を失くした信徒がいれば、新しいものを買ってあげました。また、靴を履いていった人が一生懸命働いて、二度と他人の物を持っていかないようにしてください、と祈りました。

 行事の日には200300人が集まるのですが、彼らに食事を振る舞うとなると、米がいつも不足しました。そこで、教会の中で行事が行われている間に、火を起こして大きな釜で麦粥を作ったのです。行事後、わいわいと集まって座り、麦粥(むぎがゆ)を分け合って食べました。

 名節が近づくと、胸の高鳴りや喜びよりも、まず申し訳なさを感じました。半月前からあちこち駆け回り準備して、ようやく信徒たちにリンゴ1個、飴(あめ)1粒を配ることができたのです。

 私は妊娠中、ひたすらミカンが食べたくなるということがありましたが、当時、ミカンはとても貴重なものでした。それでも、私の気持ちを察した一人の信徒がミカンを買ってきてくれ、67個をその場であっという間に食べてしまったこともあります。ただただ、ありがたく、涙が出て仕方ありませんでした。

 聖婚するまで、私は1日も気が休まることがありませんでした。聖婚後はさらに、様々な波風が絶えず襲いかかってきました。しかし、神様に対する信仰と順従、そして愛の道から、一度も離れることはありませんでした。

 私が歩んできた道は、思い出すだけでもぞっとする茨の道でしたが、何をもってしても、私を屈服させることはできませんでした。サタンは、イエス様と文(ムン)総裁に試練を与えたように、私にも過酷な試練を課しました。その厳しく残酷な試練を、私は忍耐と献身によって乗り越えたのです。

 それは一方で、私に訪ねてこられた神様の恩恵を、最も深く感じた時間でもありました。神様は私が苦痛の中にたたずんでいるとき、親しく現れて、導いてくださったのです。

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 次回は、「忍耐なくして勝利することはできません②」をお届けします。


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