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共産主義の新しいカタチ 7

 現代社会に忍び寄る“暴力によらざる革命”、「文化マルクス主義」とは一体何なのか?
 国際勝共連合の機関紙『思想新聞』連載の「文化マルクス主義の群像〜共産主義の新しいカタチ〜」を毎週水曜日配信(予定)でお届けします。(一部、編集部による加筆・修正あり)

「人間の獣化」と「反文明」
ジャンジャック・ルソー②

「反人間原理」としての文化共産主義思想
 宇宙の始まりを考える際に援用されるのが「人間原理」という考え方です。

 人間原理とは、有り体(てい)に言えばこの宇宙は「人間が住みやすいようにできている」という認識です。これは時に人間中心主義との誤解を招きます。宇宙そして地球には人間以外の生物ないし自然があることを軽視している、と見るからです。

 さらに、人間原理のうちでも、「宇宙や地球の成り立ちは或る知的な存在により創造された、目的論的なプログラムが働いているとしか考えられない。確率的に限りなくゼロに近い《奇跡》のような宇宙、地球、そして世界が単なる偶然の産物と考えるにはあまりに精巧だから」とする考え方が、いわゆる「インテリジェント・デザイン」理論と呼ばれる説です。

 日本では宗教的な「キワモノ」に扱われがちですが、ダーウィン以来の進化論が数多くのアポリアを抱える「仮説」ということを考えると、「アンチ進化論」の性格を持つことを認識する必要があります。「利己的遺伝子」で有名なリチャード・ドーキンス博士は「デザイン理論」より宗教文化そのものへの敵意を剥き出しにします。デザイン論者は必ずしも宗教的立場からの言明ではなく、文字通り「進化論帝国」に対する異論として唱える学者の方が多いのです。こうした「人間原理」的な考え方に、真っ向から反対する考えもあります。

 ルソーに端を発する「エコ・テロリズム」で、「反人間原理」思想です。「人間の存在自体が罪」とする究極の自虐思想で、一種の文化革命です。脱原発で電力不足になろうが人間の業だから滅んでも構わない、という無責任なニヒリズムです。

 反原発運動とは、まさにエコ・テロリズムです。ルソーは、子供を「自然のまま」に教育することを唱えました。これは現代のカール・ロジャーズらの非指示教育プログラムとして1960年代の米国に吹き荒れ、米国の教育を根底から揺るがし、英国でもラッセルやニイルによる実験学校にルソー主義が適用されたのです。

 ルソーの問題点は、親身に子供のことを考え、子供の能力を発揮できるような教育を考えたのではなく、あくまで自分本位に「厄介払い」という自分の動機を正当化し、子供に「勝手気ままに」過ごさせる教育理論をぶち上げたことです。

 だから理屈上では『エミール』は立派な人格を持った存在に成長するが、そのとおりに行った学校は、ラッセルの学校のように惨めな失敗に終わり、その事実は強調されねばなりません。

 「エコ・テロリズム」の核心は「人間など罪深いから滅んでも構わない」という信念。「滅んでも構わぬ」という発想は明らかに信念を逸脱して狂信的です。イルカ・クジラ漁船や、食肉解体業者などへ時折見られる「テロ行為」は、人間への憎悪に基づくといえます。

 さて「人間原理」とは、人間の築いた文明を受け入れた上で世界や宇宙を認識していくと考えられます。だから自ら多くを享受しているはずの「文明を真っ向から否定する」ルソー主義は、「反人間原理」の思想だというわけです。

「思想新聞」2024215日号より

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