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ダーウィニズムを超えて 53

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「ダーウィニズムを超えて」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 生物学にとどまらず、社会問題、政治問題などさまざまな分野に大きな影響を与えてきた進化論。現代の自然科学も、神の創造や目的論を排除することによって混迷を深めています。
 そんな科学時代に新しい神観を提示し、科学の統一を目指します。

統一思想研究院 小山田秀生・監修/大谷明史・著

(光言社・刊『ダーウィニズムを超えて科学の統一をめざして』〈2018520日初版発行〉より)

五章 心と脳に関する新しい見解

(四)認識はいかになされるか

4)末端の映像からなる上位中枢の原型
 細胞や組織において、原意識の中に原映像と関係像が形成されるが、それらはそれぞれ末端原映像と末端関係像と言う。末端原映像が神経路を通じて上位中枢に至る過程において、中枢神経系の各位において選別され、さらに複合、連合されて大脳皮質において中枢原映像となる。末端関係像の場合も、同様にして、大脳皮質において中枢関係像となるが、それが思惟形式である。中枢原映像と中枢関係像(思惟形式)から成るものが、すなわち認識における先天的な原型である。アントニオ・ダマシオ夫妻の次のような見解は、以上のことを裏づけるものである。

 彼らの見方では、統合は解剖学的に実在し、集合区域と呼ばれる場所の階層組織上で行われている。低次の区域で組み合わされた情報の流れが、その分析課題の複雑さに応じて、次々と高い階層に向かって流れていく(*30)。

 中枢神経系の低い所の意識、つまり意識下のレベルにおいても、そのレベルに相当する映像と関係像があり、そこでもそのレベルにおける認識と指令がなされているのである。


*30 サンドラ・ブレイクスリー「意識とは何か」、ニコラス・ウエイド編『心や意識は脳のどこにあるのか』307頁。

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 次回は、「認識はいかになされるか⑤」をお届けします。


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