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天一国主人に育む「神様コーチング」13
「会話」と「対話」と「相談」の違い

ナビゲーター:阿部 美樹

会話はうわべだけのコミュニケーション?
 「あなたは、日頃から人とコミュニケーションを取っていますか?」と質問されたら、どのように答えますか。

 コミュニケーションは、家庭の中、職場の中、友人関係、所属するコミュニティーの中など、さまざまな場面でなされています。
 いずれにしても、そこで「会話」をしているのか、「対話」をしているのかによって違いが生じてきます。

 「会話」とは、日常のたわいもないおしゃべりや雑談です。相手が一人とは限らず、複数の人との間で行われる場合もあります。
 気軽で自由な会話は、コミュニケーションの潤滑油となります。

 しかし会話は、自分が話したいことを話し、聞きたいことを聞く交流であり、会話している人たちの共通した目的やゴールが明確になっているわけではありません。
 目的が共有されていないので、話が広がることはあっても、深まらないことが多いものです。

 また、それぞれに自分なりの目的やゴールがあったりすると、話がかみ合わなかったり、すれ違ったりして、人間関係に誤解や対立が生じる場合もあります。

対話を必要とする四つの理由
 そのような問題を解決するためには、「対話」が必要です。
 対話とは、相手と向かい合い、二人で共通のテーマを持って話すことです。

 対話で重要なのは、お互いに共通する「意味」を共有することです。
 自分の考えや価値観を押し付けるために話すのではなく、お互いが話す内容の理解に努めながら、相手の思考や感情にも気を配り、「相互理解」を目指していくものです。

 そのためには、自分の立場だけでなく、相手の立場になって考えること、さらには客観的な立場から見つめる姿勢も必要です。

 対話が必要な理由は四つあります。

 第一は、それぞれの置かれた立場が違うからです。
 上司と部下、熟練者と初心者、親と子、夫と妻など、立場が違うと見え方や感じ方が違うものです。

 第二は、それぞれが持つ感情や欲求が違うからです。
 似たような立場であっても、性格や欲求はそれぞれ違うので、発想や行動の仕方が違うのは当然です。

 第三は、これまでの文化や習慣が違うからです。
 それぞれ個性が違い、生い立ちや環境、地域性、関心事も違うので、互いの理解が必要です。

 第四は、個人の意識は常に変化するからです。
 同じ人でも考えていることが変わり、望んでいることも変わり、行動することも変わります。

 このように、人は誰もが違うので、違いに葛藤するのではなく、違いを対話によって調和させることが必要なのです。

 会話と対話だけでなく、相談というコミュニケーションもあります。
 上司に相談する、先輩に相談する、親に相談するというように、人生の先輩である目上の人に相談する機会は少なくないと思います。

 相談された側は、経験や知識、常識、事例などをもとにアドバイスをすることが多いと思いますが、それだけでは十分ではありません。

 相談に応じる人がカウンセリングやコーチングなどの相談スキルを習得していれば、さらに効果的です。
 特に、「聴き方」と「伝え方」のスキルを身に付けて、相談に対応する力を高めることが必要です。

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