新米ママのありのまま 21
妹のお世話をしたがる長女の、微笑ましい姉としての使命感

(APTF『真の家庭』262号[2020年8月]より)

 APTFの機関誌『真の家庭』で好評連載中の「新米ママのありのまま」を毎週水曜日配信(予定)でお届けします。

フリーライター みはる

 早いもので、次女が生まれてから3カ月が経とうとしています。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、活動自粛が促されている最中の出産でした。妊娠期間中、産院では感染防止のため、妊婦や患者本人以外は院内に入れず、マスク着用や、検温が必須となっていました。長女を帝王切開で出産したため、2人目は自然分娩のリスクが高くなるということで、帝王切開での出産をすることにしていました。出産する日時が定まっていることに安心感があり、夫も術後すぐに赤ちゃんと対面できるので落ち着いた気持ちで手術に臨めるだろうと思っていました。ところが、感染防止の為、手術中、家族が院内で待つことはできないと言われ、術後夫だけなら会いに来られるというものの、防護服とマスクを着て5分間のみという制限付き。前日から入院して1人で手術に臨むという心細い環境の中、マスクを着用して手術台に上がり、手早く赤ちゃんが取り上げられ、手術は無事に終わりました。子宮収縮の痛みに悩まされながらも夫に連絡をしてすぐに来てもらいました。短い時間でしたが、夫は生まれたばかりの次女を嬉しそうに抱いて、対面できたことを喜んでいました。

 1週間ほど入院したのですが、お見舞いは一切禁止だったので、長女にとって初めて長期間ママと会えない日が続きました。退院の日、嬉しそうな顔で出迎えてくれ、初対面の妹を見て「かわいい!」と何度も言っていました。抱っこしたい、ミルクをあげたいと、妹のお世話をしたがり、いつの間にか姉としての自覚が芽生えていたことに驚かされました。次女が泣いていると、「どうしたの? 泣かないで」と話しかけながら、胸や頭を優しく撫でたりしてくれます。ママは妹のお世話をしないといけないと分かっているのか、ママが妹を抱っこしていると、パパに「抱っこしてくれる?」と抱っこを要求し、甘えようとします。

 産後1カ月は次女につきっきりだったので、長女に寂しい思いをさせているのではと心配になり、なるべく叱らないようにしようと心がけていました。しかし、ご飯を食べないで遊んだり、歯磨きやお風呂を嫌がったりしたときは、つい強い口調で叱ってしまうことが多くありました。長女は叱られるとムッとした顔をするものの、すぐに笑顔になって、遊んだり、テレビを見たり、全くめげることなくニコニコしています。だからといって叱ってばかりで構ってあげないのも悪いなと思い、週末に次女を夫に預けて長女と二人でバスと電車を乗り継いで買い物に出かけました。久々の二人での外出がよっぽど楽しかったらしく、週明けにはあんなに楽しそうに通っていた保育園を嫌がって、家でママといたいと駄々をこねるほどでした。

 家にはママ以外にもパパと祖父母がいるので、長女はたくさん可愛がられて満ち足りているように見えますが、やはりどこか寂しさを感じているんだろうなと気づかされました。長女との会話を増やしたり、抱きしめたりしてスキンシップを増やすように意識するようになりましたが、今後も長女が笑顔でい続けられるよう心がけていきたいと思います。

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 次回は、「夫婦だからやって当然は愛情の搾取!? 愛と感謝があってこそ成り立つ関係」をお届けします。

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