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facts_3分で社会を読み解く 6
マインド・コントロール言説とディプログラミングの関係

ナビゲーター:魚谷 俊輔

 世界平和統一家庭連合(家庭連合)に対し、文部科学省が解散命令を出すよう求めた裁判が東京地裁で審理中だが、私はこの裁判に「意見書」を提出している。

 意見書はさまざまな専門家や有識者から出されているが、私の専門分野は「マインド・コントロール論」と「ディプログラミング」であるため、このテーマに絞った意見書を執筆した。

 今回より、このシリーズで私の意見書のポイントを紹介したい。

 盛山正仁文部科学大臣は、20231012日に記者会見を行い、解散命令請求の理由として、「教団は遅くとも昭和55年(1980年)頃から、長期間にわたって多数のかたがたに対し、自由に制限を加え正常な判断が妨げられる状況で多額の損害を被らせ、生活の平穏を妨げた」と述べている。

 ここでいう「自由に制限を加え正常な判断が妨げられる状況」とは、いわゆる「マインド・コントロール」を指し、家庭連合がマインド・コントロールにより信者を獲得し、それによって多くの被害者を生み出してきたことが解散命令事由に該当すると言っているわけである。

 一方、文部科学省が提出した陳述書において「被害」を訴えている者の中には、拉致監禁を伴う強制棄教によって教会を離れ、後に民事訴訟の原告となって教会を訴えた者たちが含まれている。

 こうした拉致監禁を伴う強制棄教のことを、英語圏では「ディプログラミング」と呼んでいる。
 家庭連合から被害を受けたと訴える人が多数存在する理由の一つが、信者の親族とキリスト教の牧師や職業的な脱会屋が結託して「ディプログラミング」を行うことにより、「被害者」をつくり出してきたからである。

 そもそも「マインド・コントロール言説」とディプログラミングはセットであり、切っても切れない関係にある。

 それは「マインド・コントロールされている人は自由意思を奪われており、自分の力ではカルトから脱会することはできない。そこで一時的には本人の意思に反してでも身体を拘束し、マインド・コントロールを解いてあげなければならない」という信念に基づいて、新宗教運動の信者に対するディプログラミングが行われてきたからである。

 一言でいえば、「マインド・コントロール言説」によってディプログラミングが正当化されてきたということになる。
 従って、「マインド・コントロール言説」が間違いであることが明らかになれば、ディプログラミングの正当性は否定されることになる。

【関連情報
「洗脳」「マインド・コントロール」の虚構を暴く

解散命令請求訴訟に提出した意見書01

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