2024.03.01 22:00
【テキスト版】
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幸せな人生の極意!
第177回 信仰に対して否定的なイメージを持つ人が多い中、宗教の価値とは何でしょうか?
ナビゲーター:阿部美樹
皆さん、こんにちは!
今回は、「信仰に対して否定的なイメージを持つ人が多い中、宗教の価値とは何でしょうか?」という質問に対してお答えします。
神社・仏閣・教会を訪ねると宗教・教派の違いがあっても、いずれも荘厳かつ神霊的なパワーを感じます。
一神教、多神教を問わず、神聖なものへの畏敬の念は人類共通の感覚であるといえます。
災害や戦争などに直面して、愛する者たちの無事を願い、切実に祈る心も同じです。倫理道徳、芸術、食習慣、政治、経済の在り方に至るまで人間生活のあらゆる側面に宗教の影響は及んでいます。
まさに、人間らしさの中核には「宗教性」があるということです。
しかし現代文明の先頭を走る西側先進国においては、「反宗教」の空気が充満しつつあります。
日本も同様で、安倍元首相の事件後、家庭連合をはじめ、宗教に注目が集まりましたが、それはもっぱら否定的な話題となりました。しかし本来は、宗教がもたらす肯定的な影響の方がはるかに大きいはずです。
宗教の価値について三つの観点で解説いたします。
第一の価値は、宗教には奉仕の精神と活動があることです。
東日本大震災など、災害に対して、宗教団体やその関連のNGO、NPOなどが活躍します。
多額の寄付や物資の支援、被災地での奉仕活動に加え、被災者の心の傷に寄り添う活動も展開されています。
洋の東西を問わず、学校や病院建設、貧困者などの弱者支援で宗教の果たした役割は非常に大きいものがあります。
第二の価値は、宗教はコミュニティー形成機能があることです。
宗教は単に信者同士の関係を深めるだけでなく、親族や隣人との交流も促進します。
児童虐待や子供の貧困の問題に対しても、宗教コミュニティーには、同世代や異なる世代との交流を促進する機能があり、子育て家庭をサポートする役割を担っています。
しかし宗教に所属しない割合が急増する日本や先進国では、「孤独」が社会問題化しています。
孤独化が進む背景には、宗教の衰退も少なからず影響していることと思います。
第三の価値は、宗教は民主主義の基礎となることです。
宗教を通して、「万民が神の似姿であり、神性を分かち合った存在である」「お互いの声に耳を傾け尊重しなければならない」という宗教的確信から出てくるのが、互いの「内心」を尊重する態度です。
民主主義において大切な思想信条、表現、言論、集会、結社の自由の最も基礎となる「自由」が、信教の自由です。ですから、民主主義の基礎となるのが宗教心です。
一方、自由を弾圧するのは共産主義体制の「反宗教」思想です。
カール・マルクスは「宗教はアヘン」と表現しました。宗教信者を麻薬中毒者と見なす態度は、反対者を粛清する共産党一党独裁体制を生み出しました。
今の日本の社会には、新宗教の信者を、マインドコントロールされた、自律的な判断ができない人々と見なす態度がまん延しています。
社会活動から排除する人権侵害が横行する状況は、もはや民主主義国家の姿ではありません。
家庭連合(旧統一教会)の問題に積極的に関わるのは、旧社会党・共産党系弁護士によって創設された全国霊感商法対策弁護士連絡会(霊感弁連)です。
彼らは表向きには「弱者の味方」「正義の味方」に見せかけていますが、無神論者ですから、宗教心(人の内心)を冷笑する「反宗教」の風潮を広げる牽引者になっています。
この風潮を放置するならば、いずれ日本の民主主義は破壊されてしまうことでしょう。
信教の自由、宗教の価値を再認識して、本来の民主主義の姿を取り戻しましょう。