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心をのばす子育て 27

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「心をのばす子育て」を毎週土曜日配信(予定)でお届けします。
 子育ての本質を理解し、個性に合わせた教育で幸せな家庭を築くための教材としてぜひお読みください。

長瀬雅・著

(光言社・刊『心をのばす子育て7つのポイント』〈2002210日第2版発行〉より)

5、知の教育

①心の知的教育

■躾けと訓練

 知の教育には「心」と「頭」の二つの側面があります。「心の知的教育」と「頭の知的教育」です。

 「心の知的教育」とは「躾(しつ)けと訓練」です。幼児期に子供の「情の解放」と「親子の信頼関係」が構築されたら、次に解放された情の流れを正しい方向に向けていきます。動物でも子供を訓練します。
 一人前の人間として生きるための躾けには、外的な「基本的生活習慣」「基本的人間関係」と、内的な「自己コントロール」「人間性」があります。

 基本的生活習慣、基本的人間関係の「基本」ということは、細かいことは教えなくてもよいということです。あまり細かいことを言うと逆効果になります。基本でよいのです。なぜなら、これらは子供自身が自分で身につけなければならないものだからです。
 ですから親としては基本的なことだけ教えて、後は子供に任せるのです。その躾け・訓練は食事、整理整頓(せいとん)、あいさつといった外的なことから始まり、そして内的な人間性へと進んでいきます。

 この躾けにおいては小学生時代が最も大切です。中学生になると親離れが始まるからです。
 躾けの目的は、親が子供を信頼できるようにすることです。親が子供を信じ切れないと、この親離れの時期に問題が起こります。問題が起きてから躾けるのは効果がありません。なぜなら、その時は親子の情関係がこじれているからです。
 躾けは、「子供の親に対する信頼関係」ができて、「親子の情関係の良い時」に行います。そして親が「この子は私が見ていなくても大丈夫」という子供に躾けるのです。その一人前の人間を目指して次のような内容を教えます。

〈基本的な人間関係〉
・あいさつができる。
・笑顔でうなずきながら人の話が聞ける。
・人の目を見て話ができる。
・自己主張ができる(嫌と言えなければ、好きではないと言う)、など。

〈基本的な生活習慣を教える〉
・自分のことは自分でやる。
・整理整頓。
・朝自分で起きてくる習慣。
・公的な場では静かにする、など。

〈自己コントロール〉
・責任感を身につける(人のせいにしない)。
・忍耐力(我慢)を身につける。

〈人間性〉
・人生観と価値観(個人、家庭、社会、世界、過去から未来)。

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 次回は、「基本的な人間関係」をお届けします。