孝情を育む 11
夫婦相対祈祷
子女のための祈り

孝情を育む 11

　『ムーンワールド』で連載された、蝶野知徳・家庭教育部長による子育てに関するエッセーを毎週金曜日配信（予定）でお届けします。
　孝情を育む子女教育について、どんな姿勢で向き合えばいいのかを分かりやすく解説しています。

家庭教育部長　蝶野知徳

夫婦相対祈祷
子女のための祈り

夫婦相対祈祷のやり方と効果
　夫婦が祭壇の前で向かい合って手を取り合い、双方が交互に天に祈りを捧げるという祈祷方法です。夫婦がそれぞれ個別に祈る時には味わえない、深さや高まりを得ることができます。

　まず子女の命そのものを与えてくださった神様と真の父母様への感謝の祈りを中心に行います。この時、子女の問題は一切無視します。夫婦は完全に、子女の命を与えてくださったという感謝のみの祈祷を交互にします。

　まず夫が、「天の父母様、あなたが与えてくださった長男〇〇、この貴い命に心から感謝いたします……」などと祈り、祈祷を区切る時は、妻の手をぎゅっと握って合図します。この合図は、今度はあなたが祈ってください、という意味です。この合図を受けて妻は、「天の父母様、この長男〇〇の親になれましたこと、そして愛するという道をこの足りない親に与えてくださいましたことを感謝いたします……」などと感謝の祈祷だけをします。悩む現実があったとしても、命を与えてくださった神様の愛と感謝で相対基準を結ぶためです。それを聴いて、夫が祈祷を行います。

互いに祈り、感謝で始まり感謝で終える
　このように、夫婦相対祈祷では、お互いが天に報告する祈りを聞き合い、その刺激をお互いに受けます。今まで全く到達できなかった深い祈祷になることが多いのです。

　次に、現状報告をします。この段階への移行のタイミングは夫婦の祈りの感じで任意に進めてください。

　夫は、「この貴い長男〇〇は、今回、このような事態を起こしましたが……本当は心根の優しい子で……本人も親には言えない葛藤の中で我慢してきたのだと思います……」など、外的な報告だけではなく、そこから感じる親としての思いや心配を率直に天に報告します。

　妻はまたその刺激を受け、「長男の気持ちを、全て受け止めて理解できる親になりたいです……本人が心の全てを私たちに打ち明けられ、それを理解できる親にならせてください……」などと祈祷します。

　天に報告する場なので、相手の祈祷は必ず大切に聞きます。それを通して、「自分だけが悩んできたと思ったが、夫もこのように考え思ってきたのか」とか、「妻の祈祷から、自分の知らなかった子供のことが分かるようになった」ということが多いのです。

　交互に祈って、最後は夫婦で、「親の立場で、私が体験している全てのことを感謝いたします」という内容で締めくくります。感謝で始まり感謝で終えるのです。

　子女の問題を祈る時にも、夫婦が一つになって、神様が相対できる祈祷として捧げることが大切です。

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　次回は、「秘密の愛の祈り」をお届けします。