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facts_3分で社会を読み解く 2
敵対する相手とどう向き合うか?

ナビゲーター:魚谷 俊輔

 1月20日にUPF-Japanが主催した公開シンポジウム「報道はなぜ『暴走』したのか:ジャーナリストによる徹底検証『旧統一教会報道』」の閉会後に、私が鈴木エイト氏や藤倉善郎氏と一緒に写っている写真がSNS上に出回り、「敵対する勢力と仲良く写真に納まるとは何事か!」とお叱りを受けた。

 その時の状況を少し説明したい。
 まず、UPFが彼らを誘って「一緒に写真を撮りましょう」と言ったわけではない。パネリストと主催者で写真を撮っているところに彼らが割り込んできたのである。それでも、全体として彼らを排除しようという雰囲気ではなかった。

 その背景として、パネリストの窪田順生(まさき)さん(ノンフィクションライター)が事前にエイト氏と話して、スパイチャンネルというネット番組にゲストとして呼ぶから対談をしないかと持ちかけていたことがあった。

 このシンポジウムは公開で誰でも参加OKだったので、彼らも参加者として受け入れ、質疑応答もしていた。
 パネリストの加藤文宏さん(著述家、作家)とはトークバトルになったが、それも想定内のプログラムの一部だった。

 さらに福田ますみさん(ノンフィクション作家)が、「教会に擁護的な人ばかり集めてシンポジウムをしても予定調和のようになってしまうので、対立する意見の人がガチンコで勝負するようなシンポジウムをやりませんか」と壇上で提案していた。

 そうした中で最後に記念撮影の場を持った。彼らが近づいてきても排除するようなパネリストの雰囲気ではなかったため、そのまま写真に納まったということだ。

 一方で、「民事訴訟で闘っている相手と一緒に写真を撮るのはいかがなものか?」という意見もある。
 ごもっともだ。さすれば写真はパネリストだけにして、UPFのスタッフは去るべきだったかもしれないが、一瞬の出来事だったのでそこまで考えなかったのである。
 脇が甘いとか、緊張感がないとか言われればそれまでなので、お叱りは甘んじて受けたい。

 それにしても、藤倉氏がアップした投稿写真の中で、福田さんの背後で指を立てて角のように見せかけ、それを窪田さんのいたずらであるかのように書き込んだのは悪質であり、これには福田さんも気分を害した。

 そこで124日に鴨野守さん(UPF広報局顧問)から藤倉氏に写真の削除を要請すると、「お世話になっております。やや日刊カルト新聞の藤倉です。先日はシンポジウムの取材対応ありがとうございました。ご指摘のTwitterX)投稿を削除いたしました。申し訳ありません」という返信が来て、問題の投稿は削除された。

 敵対する相手とどう向き合うか?
 考えさせられる出来事だった。

【関連情報
UPF JAPAN公式note
旧統一教会報道はなぜ「暴走」したのか〜UPF主催公開シンポジウムを開催〜