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facts_3分で社会を読み解く 1
鈴木エイト氏の「訴訟戦略」?

ナビゲーター:魚谷 俊輔

 UPF-Japan2023104日、ジャーナリストの鈴木エイト氏を東京地方裁判所に提訴した。

 訴状の内容について簡単に説明すると、20219月、韓国を拠点にインターネットで世界を結んで開催された国際会議「シンクタンク2022」に安倍晋三元首相がビデオメッセージを寄せた際、UPFから安倍氏側に報酬5000万円が支払われたとする事実無根の情報を、同氏がメディアや公共の場で流布したことに対し、名誉毀損(慰謝料1100万円)で訴えたのである。

 この民事訴訟の第1回口頭弁論が2024124日、東京地裁で開かれた。
 私はこれまで富山、大阪、北九州で起こした裁判を見てきたが、第1回口頭弁論の時には必ず原告側の代表が意見陳述を行うことになっていた。

 そこで今回は自分の出番だということで意気込んでいたのだが、とんだ肩透かしを食らってしまった。
 被告本人も、被告側弁護士も、欠席するというのである。そんな状況で私が意見陳述を行っても一人芝居のようになってしまうので、徳永弁護士が訴状のポイントを読み上げることで第1回口頭弁論は終了した。

 その後、東京地裁の司法記者クラブで記者会見を行い、私が原告の代表として声明文を読み上げ、徳永弁護士が記者たちの質問に答えた。
 さらに東京地裁の近くの会場に関係者とメディアを集めて報告会を行った。その時の様子を収録してYouTubeにアップしたので、関心のあるかたは見ていただきたい。

 通常、第1回口頭弁論までに被告側は訴状の内容に対して認否を表明したり、反論したりするようになっている。それによって裁判官が争点を整理するためだ。期日のぎりぎりになって、被告側から答弁書が届いた。

 驚いたことに、名誉棄損の内容そのものに関しては認否も反論も一切せず、ただ原告であるUPF-Japanには当事者能力がないので、訴えは却下されなければならないとだけ言ってきたのである。請求原因などについては追って認否、主張をするとだけ付け加えてある。

 UPF-Japanは法人化されていないので「任意団体」であり、法的には「権利能力なき社団」である。その前提で提訴したのだが、被告側はUPF-Japanは「権利能力なき社団」ですらない、いわば「存在しない」と言ってきたのだ。

 女性連合が全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の弁護士たちを提訴した時にも、彼らは同様の主張をしてきたと聞いている。
 要するに名誉棄損に当たるかどうかの本題に入ってしまったら勝ち目がないので、入口のところで「原告適格がない」と主張して、時間稼ぎをしているのだろう。

 これが全国弁連と鈴木エイト氏の「訴訟戦略」なのか?

【関連情報
UPF JAPAN公式
note
鈴木エイト氏に対する「名誉毀損」訴訟の第1回口頭弁論が行われました