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天一国主人に育む「神様コーチング」4
コーチングと二つの信仰観

ナビゲーター:阿部 美樹

「どれだけ蕩減できたか?」と「どれだけ成長したか?」
 『原理講論』の三つの大きな柱が「創造原理」「堕落論」「復帰原理」です。
 三つの中で、どこに軸足を置くかによって信仰観に違いが出てきます。その信仰観について、大きく二つに分けて解説します。

 第一の信仰観は、堕落論と復帰原理を中心とした「蕩減復帰の信仰観」です。

 この信仰観のキーワードは「蕩減」です。人間観としては、人間始祖アダムとエバの堕落によって「人は誰もが『堕落人間』になった」「神様とサタンの両者に主管される『矛盾した存在』になった」ということが出発点です。
 そして、「自己否定と蕩減条件」によって、「サタン分立」を目指して精誠をささげることになります。

 ですから蕩減復帰の信仰観は、「罪を清算する人生」「堕落性を脱ぐための精誠の生活」となります。
 このような信仰生活は、「どれだけ蕩減できたか?」「どれだけサタン分立できたか?」「どれだけ生まれ変わったか?」を意識するようになります。

 第二の信仰観は、創造原理を中心とした「創造本然の信仰観」です。

 大切なキーワードは「愛の成長と完成」です。そして人間が堕落したとしても、「人は誰もが『神様の息子・娘』である」「神様を親とする『誇り高い存在』である」という人間観が土台となります。

 神様の子女である人間に対して、個性と自由を尊重して「ありのままを承認」する姿勢を持ちます。
 創造目的を完成するためには「愛の成長」が不可欠なので、「神様に対する孝情」を中心として四大心情圏の愛を育む精誠を尽くします。

 このような創造本然の信仰観は、「孝情をささげ、創造本性を伸ばすために精誠をささげる生活」となります。
 信仰生活の結果、「どれだけ愛を育み成長したのか?」「どれだけ神様の似姿になれたのか?」「どれだけ神様に近づいたのか?」を意識するようになります。

摂理的転換の時に必要な変化とは?
 この二つの信仰観は、どちらが間違いで、どちらが正しいというものではありません。
 蕩減復帰を成してサタンを分立しても、愛の成長が成されていなければ創造目的を完成できません。
 反対に、いくら愛の成長のために取り組んでも、サタンの讒訴(ざんそ)圏があれば完成とは言えません。どちらも必要であり重要です。

 しかし蕩減時代から天一国時代へ移り変わったという摂理的変化を見ると、今後は後者の「創造本然の信仰観」に軸足を置くことが必要になることでしょう。

 「蕩減復帰の信仰生活」では、蕩減復帰の公式に基づいて「堕落してはいけない」「神様を不信してはいけない」「み言に従わなければならない」「原理原則を外れてはいけない」という否定形の表現が多く、信仰生活においては「原則・法則・規則に従う」ことを強調してきました。

 一方、「創造本然の信仰生活」では、「真の愛の生活をする」「神様を絶対に信じる」「み言を喜んで実践する」「良心の願いに基づいて自由に生きる」という肯定的な表現が多くなり、「本心・良心の自由性に基づいて主人になろう」ということを強調します。
 信仰生活の動機も「義務感」というよりも、「使命感」さらには「喜びの心」が引き出されていくことでしょう。

 「対象格位」を土台に「主体格位」を育む人間の成長段階と同じように、信仰生活でも「自分を無にして従う対象者の姿勢」から「主人として責任を持って主体者になる姿勢」への移り変わりが必要です。

 その転換点においては、コミュニケーション文化の変化が求められます。
 まさに、「ティーチング中心のコミュニケーション」から「ティーチングとコーチングのバランスあるコミュニケーション」への変化なのです。


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