2024.01.24 17:00
天一国主人に育む「神様コーチング」3
神様を中心とした牧会・和動
ナビゲーター:阿部 美樹
天一国時代は天の父母様を中心とした心情文化
人間の成長段階である「乳幼児期」「少年期」「青年期」「成人以降」では、それぞれの成長に合わせて親の関わり方が変化します。
同じように、神様は時代の移り変わりとともに成長に合わせた関わり方で人間を導かれました。
子供の成長に合わせて、親が子供に伝える知識や知恵、言葉は変化していきます。
人間の成長のために与えられた神様の「み言」も、人間の心霊と知能の高まりに応じた教えが与えられました。
その点に関して、『原理講論』の「人類歴史の終末論」では次のように説明されています。
「神霊と真理とは唯一であり、また永遠不変のものであるけれども、無知の状態から、次第に復帰されていく人間に、それを教えるための範囲、あるいは、それを表現する程度や方法は、時代に従って異ならざるを得ないのである。例を挙げれば、人間がいまだに蒙昧(もうまい)にして、真理を直接受け入れることができなかった旧約前の時代には真理の代わりに、供え物をささげるように摂理されたのであり、そして人間の心霊と知能の程度が高まるに従って、モーセの時代には律法を、イエスの時代には福音を下さったのである」(169ページ)
最終ゴールは何でしょうか。
それは人間がそのみ言を通して成長し、「神様の似姿」となり、「神様との親子の関係」を結ぶことでした。
それが幸福な人生の核心でした。
しかし人間は堕落によって神様との関係を見失ってしまいました。ですから神様は堕落人間の中から選民を立てて復帰の摂理をなされ、人間を本来の姿へと導き、本来の関係を結ぼうとされたのです。
神様との関係が、「主人と僕の僕」(旧約前時代)、「主人と僕」(旧約時代)、「父と養子」(新約時代)、「父母と実子」(成約時代)という関係で育まれ、最終的には「天の父母様(神様)を中心とした人類一家族世界」を実現する「天一国時代」が到来していると表現することができます。
このような摂理的な時代の段階を経て、神様は本来の「父母なる神様」の姿を現すことができる時代となりました。
ですから一つの家族が愛と喜びで和睦するように、人類が天の父母様を中心として愛と喜びで和睦する「心情文化」が大切になるのです。
父母思想から見た「ティーチング」と「コーチング」
天一国の文化づくりのキーワードは「父母思想」です。
天一国の文化をつくるためには、父母の愛を中心とした「コミュニケーション」、父母の愛を中心とした「関係性」が必要です。
コミュニケーションの観点で考えてみましょう。
関係性の原則である「授受作用」には二つの作用があります。「授ける作用(与えてあげる・教えてあげる)」と「受ける作用(受け入れてあげる・聴いてあげる)」です。
教会での教育活動もこの二つが存在し、それを心がけて行われています。
授ける教育には、「講義や説教のティーチング的教育」があります。
受ける教育には、「牧会や和動のコーチング的教育」があります。
講義や説教は、「いかに相手に伝えるか」が重要です。み言を中心とした「インプットの教育」です。
一方、牧会や和動は、「いかに相手から引き出すか」が重要となる「アウトプットの教育」です。
講義や説教は天の心情や願いを力強く訴えることが中心となる「父性的かつ知的な教育」です。
牧会や和動は家庭の事情を聴いたり、相手の本心に耳を傾けたりするなど、気持ちに寄り添うような「母性的かつ情的な教育」です。
誰もが生まれる時は父母から生まれるように、生まれ変わるための教育でも「父性的愛」と「母性的愛」が不可欠です。
教会の活動においても、このようなバランスが必要です。
講義や説教(ティーチング教育)は、「神様の存在様相や心情」「神様の創造目的」を理解することで、自己中心の価値観から神中心の価値観に大きく転換する契機をもたらします。
さらに牧会や和動(コーチング教育)を通して、自分の中に存在のする良心・創造本性(第二の神様)の声に気付いたり、知恵や勇気や意欲が与えられたりします。
このように、父母の愛を持ったティーチング教育とコーチング教育は、成長の大きな力となることでしょう。