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心をのばす子育て 23

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「心をのばす子育て」を毎週土曜日配信(予定)でお届けします。
 子育ての本質を理解し、個性に合わせた教育で幸せな家庭を築くための教材としてぜひお読みください。

長瀬雅・著

(光言社・刊『心をのばす子育て7つのポイント』〈2002210日第2版発行〉より)

4、情の教育

■自由遊び

 幼児期は子供の「自発性と思いやり」を育てていきますが、その時に大切なことは子供の自発性が向く対象を、子供が自分で見つけるということです。
 親が与えたカリキュラムでは子供の自発性は育ちません。また常に与えられて育つと、将来主体性のない指示待ち族という人間になってしまいます。
 子供が自分で見つけるためには、「自由な時間と意志と行動」が必要となります。この自由な時間と意志と行動の中から子供は面白いものを選ぶわけです。このすべてを含んでいるのが「遊び」です。自発性と思いやりは「自由な遊び」の中で養われるのです。
 遊びの中で友達とケンカをしながら、仲良く遊ぶ方法を学びますし、いろいろなものに関心をもちながら自発性を養います。幼児期においては最大の勉強の場が「遊び」なのです。

 友達との関係は本人が学ぶしかありません。親が教えるわけにはいきません。親としては環境を与えるだけです。親がいないで友達とだけいる環境を与えるのです。その環境の中で学び、訓練されるのです。
 最初はケンカをして、泣かされるかもしれません。しかしその時に親が間に入ると、子供は学ぶ機会を奪われてしまいます。

 また、よく親と離れると泣き出す子供がいます。これは良い悪いの問題ではなく、その子が繊細なだけです。
 問題はありませんが、ほっておいてよいものでもありません。このような子供こそ幼稚園に入る前から、親と離れる練習をしなければなりません。いきなり幼稚園では少しハードルが高いでしょう。幼稚園で無理をして、幼稚園に行くことを嫌ったり、恐怖になってしまったりすると大変です。
 ですから幼稚園に入る前に少しずつ練習するのです。その時は親と離れて大騒ぎしても、親は耐えなければなりません。非情かもしれませんが、泣いていてもそこに置いてくるのです。そうして、少しずつ慣らしていきます。

 そのうちに子供は親がいなくても、しばらくしたらまた会えるということを学びます。そういう安心感ができると子供は泣かなくなります。子供の様子を見ながら、親がいない時間を増やしていくのです。こうして子供はたくましくなっていきます。
 泣くからといって親がすぐ迎えに行くと、子供は嫌なことがあったら泣けばいいのだということを学んでしまいます。そうすると、ちょっとつらいとすぐに泣くようになってしまいます。涙は親を動かす武器になります。この味をしめた子供はずっとこの武器を使うことによって、親に頼るひ弱な子供になっていきます。
 親は子供の涙に罪悪感を覚えても、それに惑わされてはいけません。子供が身につけなければならないことは、子供に任せなければなりません。親がいては、子供自身で学ぶことができないのです。

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 次回は、「引き出す教育」をお届けします。