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平和の大道 69
今こそ日韓トンネルの強力推進を

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

 今、日韓の関係が険悪な状況にある。韓国国内では、去年(2016年)12月、朴槿恵大統領の弾劾決議案が可決され、大統領の職務停止に追い込まれた。また、政府間合意した慰安婦問題も反故となり、慰安婦像を作り続けており、韓国は今(2017年当時)、無政府状態にあり、日韓の外交関係が極めて厳しい状況になっている。また、北朝鮮の核開発の問題もあり、韓半島においては大きな政治的な動乱も予想され、韓半島は、いつ何が起こるか分からない一触即発の危機的状況にある。

 韓半島の情勢が、このような混乱と不安定の極みにある時に、日韓の国際的なプロジェクトである日韓トンネル建設を強力に推進することは、今の国際情勢をよく認識していない非現実的な考えであるというのが一般的、常識的判断である。しかし、このような時こそ強力に推進すべきであると考える。

危機にある日本の外交と内政

 韓国は内外ともの危機的な状況にあるが、今の日本も外交、内政の両面で大きな課題を抱え、韓国と同じく内外ともの危機的な状況にあると言えよう。日本国内に目を転じても、日本においていわゆる「アベノミクス」の成長戦略としての「第三の矢」も頓挫している。日本経済も東京オリンピックまではなんとか持ちこたえそうだが、東京オリンピック後の長期にわたる継続的なビッグプロジェクトがないため、将来において日本経済を強力に牽引していけるような成長戦略が今のところ見当たらない。

 しかし、「ピンチはチャンス」とも言う。このような危機的な状況を逆転し、ピンチをチャンスに変えるように持っていかねばならず、そのためには、戦略性に富んだ斬新な企画、プロジェクトが必要である。

 そのような中にあって、日韓トンネルプロジェクトは韓半島の政治的な安定や韓半島の平和的統一に対して、日本として貢献できる格好の方策として、日本外交に「戦略性」を与えられる外交戦略上の武器となる。かつ、国内政策としての日本の成長戦略の決め手にもなり得るものである。日韓トンネルプロジェクトこそ、外交と内政の課題解決の要請に十分応えることができる戦略レベルのプロジェクトであると言える。

 今までの日本の外交は、概して米国に追随的で、受身的であり、戦略性に欠けたものであった。特に日本にとって韓半島との関係は最も重要で、国家の死活に関わる最重要事項であることは言うまでもない。このことは日本にとって、古(いにしえ)の時代から一貫して変わらない外交課題であったし、今もそうである。それ故に、韓半島の平和のために日本として貢献できる道を探り出すことが国家戦略の要である。現時点におけるその核心的なプロジェクトが、国際ハイウェイ・日韓トンネルプロジェクトであると言うことができる。

 日韓トンネルプロジェクトは、国際ハイウェイと連結しているために、特に北朝鮮の経済発展に大きく寄与するため、北の軍事的暴発を未然に防ぎ、韓半島統一を、武力衝突や突然のクラッシュ(暴発)のないソフトランディング(軟着陸)でなすことができる格好のプロジェクトである。

 さらに、海底トンネル、高速道路建設という長期にわたる国際的なインフラの建設であるため、開通まで多くの課題解決と時間を要する。また、開通しても、運行、経営、メンテナンス等を継続する必要があるため、特に、日本と韓国間の官民双方の長期にわたる重層的で緊密な国際交流が必要となる。

 このような理由から、日本と韓国の間に多くの深刻な問題がある時にこそ、逆に、両国の交流を密にしないと実現できないような企画、プロジェクトを強力に推進する必要がある。したがって、日韓トンネルプロジェクトが、日本の外交と経済発展のための戦略として、重要な一つの切り札となると言うことができる。

時は今しかない

 日韓トンネル建設は、現在、夢の段階ではなく、技術的にも十分可能であり、工事費もその気になれば両国でなんとかなるレベルであり、政治的決着と国民的支持というあと一押しで現実化できるところまで来ていると見ることができる。安倍政権が長期政権となれば、その時がワンチャンスと考えている。というのは、英仏海峡トンネルが決まったのもイギリスでのサッチャー労働党の長期政権という安定した政治情勢があったため、サッチャー首相の政治的な決断が可能であったためである。

 日本の外交に活路と戦略性を与え、国内の経済を活性化させ、若者に夢を与える21世紀のプロジェクトとして、東京オリンピック後のビッグプロジェクトとして、日韓トンネルプロジェクトを国策として日本政府が早急に取り上げることを提案したい。オリンピックや万博は一過性のものであり、大きなインフラ整備が必要なものではなく、日本経済の活性化の起爆剤としての効果はあまり期待できないからである。

(『友情新聞』2017年3月1日号より)

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 次回は、「人体構造に基づく平和の論理構築」をお届けします。


◆『平和の大道 ―国際ハイウェイ・日韓トンネル―』を書籍でご覧になりたいかたはコチラへ(韓国語版もあります)


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