2024.01.22 17:00
コラム・週刊Blessed Life 298
報道はなぜ「暴走」したのか
ジャーナリストによる徹底検証「旧統一教会報道」
新海 一朗
1月20日、UPF-Japanが主催する2024年新春公開シンポジウムが、都内の会場で行われました。
筆者も参加しました。大変意義のあるシンポジウムでしたので、本欄でもその概略を共有したいと思います。
「報道はなぜ『暴走』したのか」というタイトルのシンポジウムは、三人のジャーナリストが「旧統一教会報道」を徹底検証するというものでした。
約70人の参加者が会場に詰めかける中、まず三人のジャーナリストによる検証の発表、その後、質疑応答の時間が持たれましたが、あっという間の、熱気に満ちた2時間半のシンポジウムとなりました。
旧統一教会報道の検証に立ったパネリストは、ノンフィクションライターの窪田順生(まさき)氏、ノンフィクション作家の福田ますみ氏、著述家で作家の加藤文宏氏の三人で、いずれも優れた視点と根拠を示してそれぞれの見解を述べました。
窪田順生氏は、『14段階―検証新潟少女9年2ヵ月監禁事件―』や『スピンドクター:“もみ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』、『「愛国」という名の亡国論―「日本人すごい」が日本をダメにする』で、秀逸な取材と分析の才能を見せたノンフィクションライターです。最近発刊された窪田氏による『潜入 旧統一教会「解散命令請求」取材NG最深部の全貌』は、話題の本です。
窪田氏は旧統一教会に潜入し、徹底的に自分の目で見聞した内容を書いたわけですが、ジャーナリズムの世界から見ると、窪田氏は「統一教会にやられた」「マインドコントロールされている」となるようであり、『潜入 旧統一教会』を著した窪田氏への風当たりは非常に強くなっているとのこと、現在の自身を取り巻く境遇を赤裸々に述べました。
しかしそのような中でも、窪田氏は旧統一教会に関する一般のメディア報道がいかに歪んでいるかを確実につかんだ人物として検証報告に立ったのです。
福田ますみ氏は、旧統一教会に関する報道の中で、「霊感商法」をたたき続けるメディア報道の裏側には、国際勝共連合が推進していた「スパイ防止法制定」への反対勢力の存在があることを指摘、なぜ左翼勢力と左翼メディアが「霊感商法たたき」を執拗(しつよう)に追及するのか、その背景を見事に看破しました。
左翼思想にやられた日本の政界やメディアは、無神論共産主義を有神論の立場から克服する国際勝共連合の、いわゆる「勝共運動」との戦いに恐れをなし、狂気の反「統一教会」運動(国際勝共連合の母体は統一教会であるとの観点から)を展開してきたのだと、福田氏は指摘します。
日本列島にはびこる左派勢力との総力戦に国際勝共連合がその旗頭を務めていたこと、そのことの故に、「旧統一教会」たたきが激しい憎悪の中で渦巻いているという指摘は、左傾化したメディアと左翼野党の深層心理を突くものです。
加藤文宏氏は、著述家、作家、写真家として知られ、多くのメディアで執筆している人物ですが、加藤氏の卓越した才能は、図像化、グラフ化といった視覚化による分かりやすさと明晰(めいせき)さにあります。
安倍晋三元首相殺害事件に端を発した、異常なまでの「旧統一教会」非難攻撃のメディアの姿勢は何であったのか。
一切の感情を入れずに、冷静にメディア報道の流れを追っていった結果、分かってくるものは何か。
マインドコントロールでおかしくなった信者たちの異常集団というイメージでしか報道してこなかったメディアによって捏造(ねつぞう)された「旧統一教会」の本当の姿は何なのかを、加藤氏は図像化分析の手法で明らかにしました。
その結果、メディア報道とは、ほぼ、真逆の旧統一教会像が現れてくるのです。
三者三様の優れたジャーナリスト・著述家たちの発表を拝聴し、真実は必ずや明らかになってくるとの思いを持って、会場を後にしました。感謝!