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ほぼ5分で読める勝共理論 11
「勝共」って何?

編集部編

「反共」と「勝共」はどう違うの?
 今回から理論編に入ります。
 勝共理論が分かるようになると、社会にあふれているたくさんのニュースの意味が、かなり分かるようになることでしょう。

 さて勝共理論は、「勝つ」という字と、共産主義の「共」という字を書きます。ですから文字どおり、「共産主義に勝つための理論」「共産主義を克服するための理論」ということになります。
 これに対して、一般的には「反共」という言葉が使われます。「共産主義に反対する」という意味です。

 では、「勝共」と「反共」、この二つの言葉のどこが違うのでしょうか。

 「勝共」の場合は、共産主義にただ反対するのではなく、共産主義のどこが間違っているのか、共産主義の何が脅威なのかを正確に指摘しています。

 さらにその代案も示しています。そして最終的には共産主義者までも解放していこうとしています。
 この点が「反共」とは違う点です。

 実は共産主義というのは、かなり説得力のある理論です。あるいは力のある理論と言ってもいいかもしれません。

 例えば世界には、今でも中国や北朝鮮という共産主義の国があります。いずれも建国から70年以上がたっています。

 日本には日本共産党という政党があります。ちなみに2017年の10月に衆議院選挙が行われましたが、その時の比例代表の選挙、つまり政党を選ぶ選挙では、共産党が全国で440万票、全体の7.9%を獲得しました。
 日本人のうち、約13人に1人が共産党に投票したことになります。これはかなり多い数ですね。

拡大する共産主義
 共産主義は、資本主義社会、つまり日本のような共産主義ではない国を倒すための理論です。
 そのためなら暴力を使ってもいい、殺人も許されるという理論です。ですから共産主義が世界に広がることで、たくさんの犠牲者が出ました。

 皆さんは、世界史に残る人間の悪行や虐殺、戦争といえば、ナチズムや世界大戦などをイメージするのではないでしょうか。
 確かにそのような悲劇は二度と繰り返してはいけません。

 しかしナチズムによる犠牲者は約2500万人、第2次世界大戦の犠牲者は約8千万人、これに対して共産主義の犠牲者は世界で1億人を超えています。

 今でも中国や北朝鮮では激しい弾圧が続いています。共産主義の犠牲者はこれからもさらに増えることでしょう。

 そんな共産主義の理論がなぜ広がったのかというと、やはり理論に説得力があるからです。

 実は日本でも、共産主義の考え方がかなり広がっています。ひょっとしたら皆さんの考え方の中にも、知らず知らずのうちに入り込んでしまっているかもしれません。

 とりあえず今のところは、共産主義というのは、人の心にいつの間にかすーっと入っていって、あたかも正しい考えである、あるいは正義であるかのように見えてしまうものだと思っておいてください。
 実際テレビを見ていると、「いやあ、この人はかなり共産主義の影響を受けているな」という人がたくさんいます。

 ですから共産主義の問題を克服するには、ただ「反対だ」と叫ぶだけではだめです。
 どこが間違っているのか。何が脅威なのか。そしてその代案はどういうものなのか。これらのことをはっきりと示さなければなりません。

 それを可能にするのが、「勝共理論」です。そしてその部分が「勝共」と「反共」の違いです。

 次回は、「なぜ共産主義は広がったのか」「共産主義は克服できるのか」について解説します。