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ほぼ5分で読める勝共理論 12
共産主義は克服できるのか

編集部編

そもそも共産主義理論って何?
 「共産主義は一体どういう理論なのですか」「共産主義について一言で簡単に説明してもらえませんか」といった質問を頂きます。

 実はこの質問に答えるのは簡単ではありません。
 なぜかというと、共産主義はさまざまな分野の学問にまたがった、総合的な理論だからです。

 例えば、共産主義には経済理論があります。政治理論もあります。歴史理論や哲学理論もあります。以上は文系の理論ですが、理系の理論もあります。人類学、生物学、物質科学、宇宙物理学など、さまざまな理論があります。

 つまり共産主義というのは、あらゆる分野の学問を扱いながら、「やはり共産主義は正しい。科学的に正しい。だから資本主義社会は倒すべきなんだ」と言っている理論なのです。

 ですから共産主義者にはさまざまな分野の人たちがいます。
 大学にも共産主義を信奉する教授がたくさんいます。弁護士の中にもたくさんいます。ノーベル賞を受賞した科学者もいます。
 それぞれの分野の専門的な人たちが、共産主義を信じてしまう。

 このように共産主義には説得力があるのです。
 共産主義の理論によって旧ソ連や中華人民共和国といった大きな国もできました。並の理論ではありません。

人はなぜ共産主義に引かれるのか?
 ではなぜ、共産主義には説得力があるのでしょうか。
 その理由は、大きく二つあると考えられます。

 一つは、自然科学には何らかの普遍的な法則や原理があって、共産主義がその原理に非常に似ているからではないか、というものです。

 例えば、物質には必ずプラスとマイナスがあります。分子にも原子にも素粒子にもあります。

 共産主義では、「物質には必ず対立物が存在するんだ」と言います。「Aという存在があれば、必ず対立するBという存在が現れる。そして支配や闘争が始まる」、これが共産主義の物質理論です。

 実際の科学では、プラスとマイナスは引き合います。闘争という関係ではありません。ですから間違っています。
 でもよく似ているのです。

 これは他の分野でも同じで、共産主義がさまざまな学問の本質部分を捉えているかのように見えるのです。それで、多くの人たちが、納得させられてしまうわけです。

 もう一つは、人間の心の話です。
 人間には誰でも、人を思いやるような心と、自己中心的な心があると思います。
 時には人を救うために自分が犠牲になる、逆に人をねたんだり、憎んだりするような心もあります。

 共産主義は、その負の心の方に徹底してフォーカスしています。負の心は誰にでもありますから、そこが共鳴してしまうと、「そうだ! やっぱり共産主義は正しい!」と思ってしまう、ということなのです。

 共産主義はさまざまな分野の学問を含んだ総合的な理論です。しかもそれぞれの学問の本質を捉えた理論のように見えます。
 ですから共産主義を克服するには、その間違いを一つ一つ正していかなければなりません。
 実はそれをできるのが勝共理論なのです。