2024.01.06 17:00
心をのばす子育て 20
アプリで読む光言社書籍シリーズとして「心をのばす子育て」を毎週土曜日配信(予定)でお届けします。
子育ての本質を理解し、個性に合わせた教育で幸せな家庭を築くための教材としてぜひお読みください。
長瀬雅・著
4、情の教育
■親子関係
幼児期は情を中心とした教育をしていきます。子供の情の啓発は親によって呼び起こされますから、最も大切なのは「親子の情関係」です。
将来子供がいろいろな困難にあった時、親子の情関係ができているかどうかで問題の解決は大きく左右されます。親子関係は一生を左右するほど大きなものです。
親の子供に対する情は妊娠中から形成されますが、子供のほうは生まれてから始まります。
その中でも生まれてから1歳までが親子の絆(きずな)をつくるのに最も大切な期間です。
この時の愛し方はスキンシップによる愛し方です。動物は子供が生まれるとペロペロなめますが、それに近い愛し方です。
この時期の子供の五官はほとんど成長していません。生まれたばかりのころは目も見えませんし、言葉も理解できません。
五官の中で一番発達しているのが触覚です。ですから赤ちゃんには体を通して愛情が伝わっていきます。母親は赤ちゃんに母乳をあげますから、スキンシップに関しては自然にできます。
この時期で問題になるのは父親です。子供にとって幼児期から小学生くらいまでは母親の影響のほうが大きいのですが、中学生くらいからは父親の役割が徐々に大きくなってきます。このころから躾(しつ)け・訓練の時期に入るからです。
特に高校生になり社会のことを教えるには、社会で生きている父親が必要です。しかし、中学生ぐらいになってから急に親子関係を築こうと思っても大変です。幼児期からの親子の愛情と信頼関係ができていないと躾けはできません。
ですから、父親も幼児期に子供と触れ合わなければなりません。一緒に風呂に入ったり、おむつを替えたり、一緒に遊んだりして子供との触れ合いを意識していくのです。
そして、子供は生後7カ月目くらいになると「人見知り」が始まります。人見知りをするということは、親と他人の区別がつくようになったということです。親には安心感を覚えていても、他人に対してはまだ安心できないのです。
ですから、人見知りをするということは、それだけ親子関係が強くなってきたということです。順調に育っている証しなのです。
逆に人見知りをしないのは、親も他人も一緒ということです。その場合は少し意識して子供との時間を多く取らねばなりません。
ただ、大家族の場合は人見知りの期間が短くなることがあります。単に短かっただけなのか、親子関係が薄くなっているのか、よく観察して判断しなければなりません。
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次回は、「自発性」をお届けします。