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ほぼ5分で読める勝共理論 9
「憲法9条」

編集部編

憲法9条とは?
 今回は「憲法9条」についてです。
 まずはどんな条文か、読んでみましょう。

 9条の第1項は、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」。

 第2項は、「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」です。

 簡単にまとめると、日本は1項で「戦争はしません」、2項で「戦力を持ちません」「交戦権を認めません」と言っています。
 9条の内容はこの三つです。この中で、どれが問題なのでしょうか。

 1項の戦争放棄は当然です。たとえもめ事があっても絶対に戦争で解決してはいけません。これは国際社会の基本的なルールでもあります。ですから、問題は第2項ということになります。

対内的な主権と対外的な主権
 ここで、「主権」という言葉について説明します。
 実は主権には、大きくは二つの意味があります。国内の主権と、国外に向けての主権、対内的な主権と対外的な主権です。

 対内的な主権というのは、「日本の中で法律がいきわたっていますよ」という意味です。

 例えば、うちの町では暴力団が幅を利かせている。警察も手に負えない。みんな怖くて外に出られませんという状況であれば、「日本の主権が維持されている」とはいえません。
 これが対内的な主権です。この主権を守るために重要なのが警察の力です。

 日本にある外国の大使館は、日本に住む外国人のためにパスポートの更新などをする場所です。
 実はこの大使館の中に犯罪者がいても、日本の警察は逮捕できません。言ってみれば、大使館は外国の国家機関が日本に出張してきているようなものです。だから犯罪者がいれば、その国の警察が逮捕します。いわゆる治外法権です。

 では問題です。
 仮にですが、日本に外国の軍隊が攻めてきたら誰が対応すべきでしょうか。
 相手は戦車やロケット砲を持っています。さあ、どうしたらいいでしょうか。国際社会のルールではどうなっているでしょうか。

 警察と答えたかた、ハズレです。
 警察には外国の軍隊を取り締まる権限がありません。大使館と同じ理屈です。もし捕まえたらその警察官が捕まってしまいます。

 では誰が守るべきかというと、答えは「軍隊」です。
 このように、外国の勢力から国を守るときの主権が、もう一つの主権、つまり対外的な主権です。
 言い換えれば、国の独立性です。この国の独立を守る役割は、国際社会では警察ではなく、軍隊が果たすことになっているのです。

 ところが日本では、その軍隊がありません。ではどうやって日本の独立を守るのでしょうか。
 それで日本では、自衛隊という、軍隊ではない、でも誰がどう見ても軍隊にしか見えない組織をつくりました。

 憲法学者の大半は憲法違反だと言っています。だったら自衛隊をなくすか、憲法を変えるか、本当に憲法が大事だと思うのならどちらかにすべきだと思うのですが、不思議なことに、両方とも反対だ、という人がいます。
 しかもその人が、普段は「憲法を守れ」という人だったりします。

 自衛隊を軍隊として認めるのが、普通の国らしくていいのではないでしょうか。

 次回は、憲法シリーズの最後、「憲法改正の方法」について解説します。