2023.12.24 17:00
真の父母様の孝情を学ぶ 22
ただ私だけが天の花嫁であることを③
『ムーンワールド』で連載中のコーナー、「真の父母様の孝情を学ぶ」を隔週日曜日(予定)でお届けします。
韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁(真のお母様)の自叙伝『人類の涙をぬぐう平和の母』からの抜粋をイラストとともにつづるコーナーです。
今回は、「ただ私だけが天の花嫁であることを」(111〜112ページ)からの抜粋です。
バスに乗って漢江(ハンガン)を渡りながら、たくさんのことを考えました。川を渡るというのは、今までの世界とは別の世界に入ることではないか。あのように滔々(とうとう)と流れる川の、穏やかな水面とは裏腹に、その中はどれほど多くの事情を抱え、渦巻いているのだろうか。そのような水面下の様子は、私たちを訪ねてこられる神様の心情にも通ずるのではないか……。
気がつくとバスを降りて、丘の上にある母の家に向かっていました。坂道を上ると、漢江から吹いてくる冷たい風が吹きつけてきましたが、季節外れの暖かい日差しが、私の足取りを軽やかにしてくれました。
母は私を見ると、心配そうな表情で口を開きました。
「教会から知らせがあったわ。すぐに来るようにって」
私はその知らせが、天によって準備されたものであることが分かりました。小学校を卒業して間もなく、初めて文(ムン)総裁にお会いした時の場面が、パノラマのように広がりました。
その数日前に、私は夢を見ていました。ひときわ若々しく、穏やかな表情をした文総裁が夢に出てこられたのです。天の啓示も、はっきりと聞こえました。
「その日が近づいた。準備をしなさい」
それは、天の厳然たる訓令でした。私は完全に無我の境地で、祈祷を捧げました。
「今まで私は、神様のみ意のとおりに生きてまいりました。今や、神様のみ旨が何であろうと、その摂理がどのようなものであろうと、たとえ何があっても、私はあなたの願われる使命を果たします」
私は天の無念なる事情を知っていたため、自分に与えられた使命を感謝して受け入れたのです。
「小羊の婚宴」が行われるという予感がするとともに、再び天の声が聞こえてきました。幼い頃、道を行く道人が私を見て証(あか)ししたように、「宇宙の母、時が満ちた」という声が、まるで銅鑼(どら)の音のように虚空に鳴り響くのが聞こえました。
「私はアルパでありオメガである。創世以前から、宇宙の母を待っていた」
私はその言葉を聞いて、これから起こる未来の出来事を悟り、穏やかな心情で時を待ちました。エデンの園で、アダムとエバは神様と直接会話をしていました。つまり、神様のみ言(ことば)を自分の耳で聞いたということです。私も子供の頃から、神様といつでも会話を交わすことができました。困難にぶつかったり、決断を迫られたりするたびに、神様は私を導いてくださったのです。
---
次回は、「ただ私だけが天の花嫁であることを④」をお届けします。