2023.12.22 22:00
【テキスト版】
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第168回 家庭連合(旧統一教会)の元信者には拉致監禁、強制改宗された人がいるのですか?
ナビゲーター:阿部美樹
皆さん、こんにちは!
今回は、「家庭連合(旧統一教会)の元信者には拉致監禁強制改宗された人がいるのですか?」という質問に対してお答えします。
2023年10月13日、日本政府は東京地裁に家庭連合(旧統一教会)の解散命令を請求しました。
文部科学省によれば、このたびの解散命令請求に際して、被害を申告する170人(元信者)から聞き取りを行ったとのことですが、この元信者の中には拉致監禁を通して強制改宗された人が多く含まれています。
日本において、家庭連合信者に対する棄教目的の拉致監禁事件が始まったのは1966年です。以来、現在まで4300人を超える信者が監禁の被害に遭っています。
この拉致監禁の悪質な点は、信者が信仰を捨てるまで説得をやめず、監禁から解放しないことです。
反対牧師は、「脱会カウンセラー」として、脱会するまで説得をやめません。
幸いにして監禁から逃れてきても、二度、三度、四度と、信者が脱会するまで、何度でも拉致監禁が繰り返されるため、反対牧師らと結託した親族を持つ家庭連合信者は、「また、いつ、どこで拉致監禁されるか分からない」「今度監禁されたら、二度と解放されないのではないか」といった不安を抱え、逃避的生活をせざるを得なくなり、日常生活を送ることが困難になってしまいます。
脱会するまで監禁を継続するというやり方は、日本のキリシタン迫害で用いられた方法です。
棄教強要のため、迫害者は拷問や踏み絵など、あらゆる手段を講じましたが、家庭連合信者に対する親族と元信者を巻き込んだ棄教強要事件と通じる世界があります。
監禁をきっかけに、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しみ続ける人も多くいます。監禁場所で自殺した人もおり、棄教強要の実態は悲惨です。
監禁は、信者が脱会するまで無期限で続けられ、被害に遭った信者の約7割が脱会しています。
自力で監禁から脱出してきた約3割の人の中には、深刻な精神的ダメージを受けている人を見かけます。
1980年代後半から、キリスト教関係者と左翼勢力とが協力しながら、脱会説得で得た元信者による裁判闘争が始まりました。それが「青春を返せ裁判」や「婚姻無効裁判」などです。
このように脱会した信者が裁判を起こすことで、反対派は社会問題化を拡大させてきましたが、拉致監禁事件の多さが、裁判の多さにつながっています。
月刊「正論」2023年12月号で、宗教社会学者・マッシモ・イントロヴィーニェ氏は旧統一教会の報道に関して、「元信者とは、信仰を棄てて教団を離れた人です」「元信者のうち、自分がいた教団に批判的活動を積極的に行う人を『背教者』といいます」と表現し、「元信者」と「背教者」を明確に区別しています。
さらに、「強制改宗やディプログラミング(棄教のために強く説得すること)を経験した人は『背教者』になる割合が非常に高いことも明らか」であると説明しています。
ですから、「日本のメディア報道で危うさを感じるのは、『背教者』と元信者がほぼ同じ意味で扱われていることです」と警鐘を鳴らしています。
このように、旧統一教会批判の背後に、拉致監禁事件という恐ろしい人権侵害があることを見過ごしてはいけません。