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ほぼ5分で読める勝共理論 6
「憲法」って、そもそも何?

編集部編

社会の土台となる法律
 今回から憲法についてお話しします。

 皆さんの中には、「正直、憲法のニュースって、何を言っているのかさっぱり分からないんだよなあ」というかたがおられるかもしれません。

 憲法が分からなくても、法律を知らないというかたはおそらくいらっしゃらないでしょう。
 例えば皆さんが、人の物を盗んだら法律違反で捕まってしまいます。
 「え? そんな法律があるとは知りませんでしたー」と言っても駄目ですよね。

 実は日本にはたくさんの法律があります。例えば車の運転をするときに守らないといけない道路交通法、飲食店を経営するなら食品衛生法、公務員になったら公務員法…、数えれば切りがありません。

 私たちの生活の土台には必ずといっていいほど法律があります。
 日本の社会を形作っているのは法律である、ということです。

憲法は最も基本となるルール
 では、皆さんに一つ質問です。
 思い切ってこんな法律を作ってはいかがでしょうか。

 「税金はゼロ」
 「仕事をしなくてもいい」
 「学校に行かなくてもいい」
 「遊んでいても国が全部面倒を見てあげます」

 そんな法律はつくれるのでしょうか。できれば、その理由も考えてみてください。

 さあ、いかがでしょうか。
 答えは、「×」です。日本ではそういう法律は作れません。その理由は、憲法にそう書いてあるからです。

 日本の憲法、つまり日本国憲法には、納税の義務(第3章 国民の権利及び義務 第30条)、勤労の義務(第3章 国民の権利及び義務 第27条)、教育の義務(第3章 国民の権利及び義務 第26条)について記されています。そして、法律を作るときは憲法に違反してはいけません(第10章 最高法規 第98条)、とも書いてあります。

 簡単に言えば、これが憲法です。つまり憲法は、国の一番の基本となるルールだということです。

憲法は国の在り方を決めるビジョン
 もう一つお話ししましょう。
 憲法は、ただのルールではなく、日本の国の在り方、あるいはビジョンを示したものである、ともいえます。
 国の一番の基本となるルールです。

 例えば、憲法に「一番大事なのは個人だ」と書いてあれば、日本はそういう国になるでしょう。
 また仮にですが、「個人も大事だけれど家庭も大事だ。同じぐらい大事だ」と書いてあれば、やっぱり日本はそういう国になるでしょう。
 全ての法律が憲法に基づいてつくられるということは、そういうことなのです。

 実は、日本国憲法は「最も大事なのは個人である」という考え方で作られています。
 ですから憲法を変えようという人たちには、「日本の行き過ぎた個人主義を変えるには、憲法を変えないといけない」と考える人が多いんですね。

 では、今回の結論です。
 憲法とは何でしょうか。もうお分かりですね。憲法は法律の基になる国の大原則です。そしてその国の在り方、あるいはビジョンでもある、ということです。このことが分かると、憲法のニュースがかなり分かるようになります。

 次回は、日本の憲法がどういう考え方でできているのかについてお話しします。