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ほぼ5分で読める勝共理論 5
共産主義者はなぜ暴力的な活動をするのか

編集部編

「戦争反対!」と叫ぶ人々
 皆さんもテレビやニュースで見かけたことがあると思います。
 国会の前とか沖縄の基地の辺りに集まって、「○○はんたーい!」と叫んでいる人たちのことです。最近では各地の駅前でも随分見かけるようになりました。
 いわゆる「左翼」の人たちです。

 そこで皆さんはこう思ったことはありませんか。
 「なぜあの人たちはあそこまで熱心に活動するのだろう。普通の人は、昼間は学校に行ったり仕事をしていたりするのに、あの人たちはどうやって生活しているのだろう。なぜそこまでするのだろう」
 そんな疑問です。

 もし今の日本が戦争の真っただ中にあるとか、「戦争反対!」というだけで次々と人々が逮捕されるというなら話は別です。
 でも日本は、ここ70年間で一度も戦争に参加しませんでした。そのような国は世界で八つ(アイスランド、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、スイス、ブータン、日本)しかないといわれています(2015124日付「日経新聞」参照)。

 日本は海に囲まれていることもあって、とても平和な国です。
 「戦争反対!」と叫ぶことそれ自体はもっともなことですが、なぜそこまで行動できるのか、ということです。
 実を言うと、ここにも共産主義の独特な考え方があります。
 今回はこの点がポイントになります。

二つに分けて考える共産主義
 まず、共産主義の見方では、社会全体を二つに分けて考えます。世の中にはいろいろな立場の人がいますから、二つだけに分けるというのはかなり乱暴です。
 ただ、単純なので分かりやすいといえば分かりやすい話です。

 その二つがどういうグループなのかというと、「支配するグループ」と「支配されるグループ」です。支配といっても、今どき奴隷なんて世界中どこを探してもいませんから、ちょっとピンとこないかもしれません。

 共産主義の理論では、政府や大企業、あるいは米国の勢力が本当は日本を支配していて、国民の大多数は利用されている、利益を奪われているのだというのです。
 このことを難しい言葉で「搾取(さくしゅ)」といいます。訓読みをすると「しぼりとる」と読めますね。

 私が共産主義者になったつもりで皆さんに彼らの主張を訴えてみたいと思います。

共産主義者の主張
 「皆さん! 労働者が働いて得たものは、本当は全て労働者のものではないですか! 体を動かし、汗を流して労働したのですから当然です。
 ところが世の中には、自分では働かず、自分では汗を流さずに生きている人たちがいます。
 そう、政治家や大企業の経営者たちです。彼らは労働者ではありません。汗を流しません。ですが多額の給料をもらっています。これはこの世の中が、搾取によって成り立っているからです。
 不当な支配を正当化するようにできているからです。それが資本主義の正体です。
 私たちは立ち上がらなければなりません。この不当な社会を変えなければなりません。そうして本当の意味で自由な社会、みんなが汗を流し、みんなで世の中をつくり上げていく、そんな社会をつくらなければなりません。
 さあ、革命を起こしましょう!」

 こんな感じです。

 つまり彼らは、今の日本はとてもひどい状況にあると思っているんですね。まるで戦争が起きているかのような状況です。

 例えば、「政府が中国や北朝鮮が危険だと言っているのも、それを利用して支配を強めようとしているだけなんだ。だから本当の脅威は中国でも北朝鮮でもなく、日本の政府なんだ。米国なんだ」というふうに考えるわけです。
 それで彼らは熱心に演説をしたり、デモをしたりするんですね。

 あれだけ熱心に活動するのを見ると、「いやあ、政府もひどいことをしているんだろうなあ」「火のない所に煙は立たぬというからなあ」と考える人がいるかもしれません。
 しかし必ずしもそうとは限りません。

 共産主義を信じる人たちが活動するのは、この日本そのものを変えるためだからです。
 共産主義とはそういう特殊な考え方なのだ、ということなのです。