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家族の絆づくり 296
「ブレスト」で楽しく発想を引き出す

ナビゲーター:阿部 美樹

四つのルールでアイデアを探す
 「ブレーンストーミング(ブレスト)」という言葉を聞いたことがありますか。

 何を目指すべきなのか、何が問題なのか、どうしたら課題を解決できるのか、などについて考える時、過去の経験や常識的な発想しか出てこない場合があります。
 そこで必要なのが、既成概念や固定概念の枠を超える発想の転換です。

 その発想の転換に役に立つのが、たくさんのアイデアを出していく「ブレーンストーミング(Brainstorming)」です。「BS法」「ブレスト」と呼ばれるものです。
 これはアイデアを生み出すための「集団発想法」の一つです。

 複数の人が集まり、テーマに対して大切だと思うこと、気付いたこと、感じたことなど、クリエイティブな発想とともに出し合うものです。
 話し合う時には四つのルールがあります。

 第一は、「批判厳禁」です。
 出てくるアイデアに対する否定や批判、何らかの判断をせず、全てのアイデアは何か役に立つものだと考える姿勢です。

 第二は、「自由奔放」です。
 突拍子もないアイデアやユニークなアイデアなども歓迎することで、発想が広がり明るいムードになります。

 第三は、「質より量」です。
 限られた時間内で行うので、アイデアの質にこだわるよりも、量を重視し大量のアイデアを出していきます。そうすれば、その中に面白いアイデアが必ず出てくるものです。

 第四は、「便乗歓迎」です。
 既存のアイデアからヒントを得て、連想ゲームのようにアイデアを広げることも歓迎します。

ゲーム感覚が大切
 アイデア数の目標を高めに設定し、アイデアの数をカウントしていくことも有効です。
 出たアイデアに対して、「いいね!」と声をかけ合うなら、チームの力がいっそう引き出されることでしょう。

 しかし四つのルールの下に大量のアイデアが出たとしても、そのままでは何も変わりません。
 そのアイデアを分析し、「効果性」「現実性」「新規性」などの評価基準を設けて、取捨選択して整理しなければなりません。

 大量のアイデアを「結合する」「特化する」「転用する」「文脈を変える」などを行って発展させるなど、ブラッシュアップすることも有効です。

 このように、企業などの組織の活性化のためには、ゲーム感覚で盛り上がるような場の設定が必要になります。

 さらに家族や友人関係においても、楽しくゲーム感覚で発想豊かにアイデアを出し合う場があれば、お互いに関係性を深めることができることでしょう。