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ほぼ5分で読める勝共理論 3
「右翼」って何?

編集部編

 前回は「保守」と「革新」について説明しました。
 保守は「古くからの伝統や文化を守ろう」という考え方、革新は「新しくしよう」という考え方です。
 そして本来は、「保守=右翼」「革新=左翼」ということになります。

 ところが、今の日本では、「右翼」と「左翼」という言葉が、ちょっと違う意味合いで使われることが多いのです。

歴史から何を学ぶのか
 最近の日本の歴史で大きな出来事といえば、やはり第2次世界大戦です。
 皆さんも中学校や高校などで、「日本は戦争で大変な過ちを犯したんだ~」ということを繰り返し教わったかもしれません。
 社会の先生が授業中に随分とそういう話をする、という話を耳にすることがあります。

 でもちょっと考えてみてください。
 日本の社会の在り方は戦争の前と後とで全くといっていいほど大きく変わりました。
 今の日本では、どうやっても戦争はできません。若い世代の皆さんが歴史を学ぶとき、戦争について知ることは大切なのですが、それ以上に、日本が戦後の難しい時代をどう乗り越えてきたかについてこそ学んでほしいと思います。

 日本は、戦後の焼け野原の中から奇跡の復興を果たしました。
 今や経済規模は名目GDP(国内総生産)で世界第3位です。そして世界中で復興や開発などの手助けをしています。
 この背後には並々ならぬ努力がありました。その努力こそ学ぶ価値があるのではないか、ということです。

変わる「右翼」の意味
 「保守=右翼」という言葉には、「古くからの伝統や文化を大切にする」という意味があります。
 日本の歴史の中で、戦争を過剰に意識する人たちにとっては、「右翼=戦争の時代が良かったと考える人たち」というイメージになってしまっています。

 つまり「右翼」という言葉は、「あいつらは軍国主義者だ」「戦争をしたがっているんだ」という意味で、批判や軽蔑のために使われるようになったわけです。
 「極端な右翼」という意味で、「極右」という言葉が使われることもあります。

本来の意味から離れて使われている「右翼」という言葉
 「ネトウヨ」という言葉があります。この言葉には「外国人を差別する人」という意味合いがあります。いわゆる「偏狭的ナショナリズム」というものです。インターネットを見ると、確かにそういう発言が多いのも事実です。

 しかしよく考えてみてください。
 日本は古くから外国人を差別してきたわけではありません。
 飛鳥時代の頃には、すでに朝鮮半島の人々と深く交流していました。また鎖国をしていた江戸時代ですら、実際には多くの国と交流をしていました。
 ですから「右翼=偏狭的ナショナリズム」というのは、実は違うのです。古くからの日本の伝統を大切にするからといって、他国の人を差別するということではないわけです。

「真正保守」って何?
 今回の結論です。
 保守を批判する人たち、つまり左翼の人たちが、保守的なことを言う人に対して、すぐに「軍国主義者だ」とか「極右だ」と決め付けるのは、これは間違いです。そう言ってしまうと、どうしたら社会が本当によくできるのか、という話し合いが冷静にできません。
 ところがこれは本当に残念なことなのですが、テレビにもそういう人たちがたくさん登場します。これはメディアの中に、左翼的な考えを持つ人がたくさんいるからなのです。

 また反対に、「自分は保守だ」と言って、他国の人を差別してもいいということには決してなりません。
 自分の国の歴史や伝統を本当に大切にする思いがあれば、他の国の歴史や伝統もきっと尊重するはずです。そういう意味で、自分はナショナリズムではなく、本当の意味での保守なんだと言うときに、「真正保守」という言葉を使うこともあります。

 以上の話を理解できれば、あるニュースを見た時に、「あ、この人は本当の保守なんだな」とか、「この人は保守の人を一方的な決めつけで批判しているな」とか、「この人の考えは本当の保守ではなくてナショナリズムなんだな」ということが区別できると思います。それだけでもニュースがかなり面白くなるはずです。