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家族の絆づくり 292
3段階の「変革モデル」

ナビゲーター:阿部 美樹

「解凍」「変化」「再凍結」で変革!
 「変わらないといけない!」という言葉をよく聞きます。
 組織が硬直化したり、形骸化、マンネリ化したりしたとき、それは変わるべき時を迎えていることを意味しているのかもしれません。

 時代の変化に合わせて、沈滞化した組織をなくしていかなければ、生き残ることはできないでしょう。
 組織だけでなく、個人の人生においても、変化すべき時に変化できなければ、生活習慣病という重大な疾病になるような結果を招きかねません。

 変革は3段階を経てなされます。
 それが、「解凍(Unfreezing)」「変化(Moving)」「再凍結(Refreezing)」です。
 変革は、既存の枠組みを打ち壊していくこと、すなわち「解凍」するところから始まります。

 解凍する中で少しずつ思考や行動の「変化」が芽生えてきます。
 うまくいったやり方を、仕組みや風土として定着させるのが「再凍結」です。

 このような3段階を経て改革に導くことを、考案者の名前を取って「レヴィンの変革モデル」といいます。

今までの常識を解凍する!
 3段階の中で特に大変なのが、変革の火をともす「解凍」の段階です。
 そのためには、このままではいけないという「必要性」、やればこんなこともあるという「効果性」、みんなでやればできるという「実現性」をいかに浸透させるかです。

 ですから、「解凍」の段階では、全体に危機意識を高めたり、共通の夢や目標を掲げたりすることから始めます。
 そして、変革推進のチームをつくり、ビジョンと戦略を生み出す必要があります。

 「変化」の段階では、定められた改革のビジョンを全体に周知徹底し、メンバーの自発を促し、短期的成果の実現と区切りごとの進捗(しんちょく)の確認をすることです。

 最後の「再凍結」の段階では、小さな成果を生かしてさらなる改革の推進をします。
 新しい取り組みや姿勢を習慣化させて組織文化として定着させていきます。

 これらの3段階の変革は、企業や組織だけでなく、個人の人生や家庭の在り方にも当てはまります。

 まずは、今までの習慣となっている「これは仕方がない!」「必ずこうすべき!」という常識を見直して解凍するところから始めましょう。