終活ポイント講座 11

 『祝福家庭』(2020年春季号、夏季号、秋季号)に掲載された「終活ポイント講座」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 「老後」と「聖和」に対する備えに関して、行政書士の石原登文先生(6000双)に解説していただいています。

※法律や制度は2020年9月時点のもので、今後、変わることがあります。

14 祝福家庭が臨終を迎えたら
 エンディングノートには、葬儀とお墓について記入する欄があります。自分の遺体を搬送する場所や、葬儀の会場と形式、遺影、連絡すべき相手のリスト、埋葬場所の希望などの項目について記入します。

 祝福家庭が聖和した際の「臨終報告祈祷」から「追慕礼拝」までの流れは、『祝福家庭』93号(2019年夏季号、5463頁)に詳細が掲載されています。(以下「祝福家庭の聖和礼式の流れ」を参照)

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 医師の診断により死亡が確定してから墓地に埋葬されるまで、遺(のこ)された家族は、施主として葬儀や埋葬に関する事務手続きに追われます。

 これらの手続きが速やかに終了したとしても、すぐに埋葬することはできません。法律上、「死亡が確定されてから24時間は、火葬をしてはいけない」という決まりになっています。

 2年ほど前のことですが、ある終活セミナーに、Aさん(女性、70代後半)が参加しました。Aさんは以前、一度亡くなって医師による死亡診断書が作られ、葬儀までしてもらった経験がありました。

 棺(ひつぎ)に入っているAさんが火葬場に運ばれ、僧侶による読経も終わり、最後のお別れに、棺の小窓を開けて近親者がのぞき込んでいるとき、Aさんがぱっと目を開けたそうです。

 その話をほかの終活セミナーで披露すると、「うちの母もほぼ同様な体験がありました」と言う人がおられました。霊人体が肉身に戻ることもあるようです。「24時間」と定められているのは、こういう理由もあるのかもしれません。

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 次回は、「遺体の搬送から葬儀まで」をお届けします。