2023.10.29 05:00
スマホで立ち読み Vol.28
『拉致監禁』35
世界平和統一家庭連合 総務局/編
スマホで立ち読み第28弾、『拉致監禁』を毎日朝5時にお届けします。
本書は現在の報道の背景を理解するとともに、拉致監禁の再発を防ぐために作成された一冊です。ぜひお読みください。
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第二章 痛哭と絶望を超えて
逆境を超えて得た親子の絆③
命懸けの脱出
監禁されていた当時、お昼の12時から30分間だけは、部屋に監視がいなくなりました。また、お寺の周りは農家であり、12時から12時30分までは人がいなくなるのです。監視が御飯を食べにいった隙に、私は服を着替えて隣の部屋に行き、準備をしました。窓は二重になっていたのですが、障子を破り、木の枠組みを全部外して、サッシを開けました。
そして、もう一度祈ったのです。
「神様、今、私は飛び降りてここから出ていきます。もし脱出が失敗したら、もう逃げることが難しくなります。その時は、もしかしたら申し訳ないですが、やはり死ぬかもしれません。ですから神様、導いてください」
そう真剣に祈って、私は窓から飛び降りました。その下には小さな川が流れていて、ずぶ濡(ぬ)れになりながらも、走り続けました。
私の母の姉は、監禁していることが外部に漏れることをとても恐れていました。お寺ですから、そういうことが漏れてしまえば、広く知れ渡ってしまいます。私のお寺の周りには門徒が大勢いるので、「走るだけではだめだ、近くの家に逃げ込もう」と思って、とにかく裸足(はだし)で家に飛び込みました。
そして、アベル(信仰的に導いてくれる人)につながらないと導かれないと思い、電話を貸してもらって、(家庭連合の)家庭教会に電話しました。電話で「今出てきました」と言うと、「Yさん、6000年の出会いだね」と言われました。本当に、涙が出て止まりませんでした。
アベルは、「そこの奥さんが良い方であるならば、車に乗せてもらって、近くの病院まで逃げなさい。そこからタクシーを呼んで、市内まで行きなさい」と指示してくれました。
その婦人はとても良い方で、裸足の私に靴と食べ物を下さって、病院まで送ってくださいました。そこからタクシーを呼んで、市内まで逃げることができたのです。
ところで、脱出してからも、私には「なぜ、お寺の住職はあの2本のビデオを借りてきたのだろうか」という疑問がありました。もしかしたら、「私を逃がしたい」という思いがあったのではないかとも思われました。それで、子女が生まれて熊本へ帰省したときに、その真意を聞いてみました。ところが住職は、「自分はそんなビデオを借りていない。何かの間違いではないか」と言うのです。そのときに、これはこの人の意思でやったのではない。自分の意思ではないから、その部分だけ記憶が消されているのだと理解できました。やはり神様からのメッセージだったのです。
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次回は、「逆境を超えて得た親子の絆」をお届けします。
★「我々の視点」脱会説得による悲劇③
★「拉致監禁」問題を考える特別シンポジウム(2023年9月10日)ダイジェスト映像