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うまくいく夫婦仲の法則 37

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「うまくいく夫婦仲の法則」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。
 目指すは「夫婦仲良し、円満一家、どんな嵐もどんとこい」! 輝く夫婦、幸せな家庭を築くための秘訣(ひけつ)をご紹介します。

松本 雄司・著

(光言社・刊『二人で学ぶ うまくいく夫婦仲の法則』〈200251日初版発行〉より)

第四章 どのようにして夫婦愛を育てるか

3 二人が仲の良い夫婦になるには

※「A愛妻度」は第20回、「B愛夫度」は第21回を参照

⑲広い心を持とう……本物の愛を探す(A-⑥、⑯、B-⑨、⑮)

 夫婦関係がうまくいかなくなると、互いに感情的になるし、言葉がきつく攻撃的になりやすいものです。男性はカーッとすると大声で怒鳴りつけたり、物を投げたりとかしかねない。また逆に、憮然とした顔で外に出て行くか、口を一切利かなくなることもある。

 女性はヒステリックになって、声を上げて夫をののしる。恐ろしい形相をして、夫を睨(にら)みつける。あるいは、顔は能面のように澄ましきって、腹中でしっぺ返しの方法を考える。

 こんなとき、私たちの人格の根本が問われているのです。自分の感情を律することを習得した人物はたいしたものです。人間は心が傷つけられたら、必ず仕返しをしたくなる。その応酬が始まれば悪循環を招き、事態は最悪の結果へと進んでいきます。

 真の愛情というのは、許し難い者を許し、愛し難い者を愛することである。そのような絶対愛の世界を、キリスト教では「神の愛」、仏教では「慈悲」、儒教では「仁恕」といって、人間の求めるべき究極的な目標としてきました。

 私たちがある人を愛せなくなるのは、その人から何らかの形で傷つけられたことがある場合か、その人物に嫌悪感を抱いている場合です。相手からの誠意ある謝罪がない限り恨みとなり、「許せない」という感情は消えません。

 「許せない」という感情が残っているから、容易に「愛せない」のです。それを超えるのは並み大抵のことではありません。

 しかし、結婚生活の中で、一度もそのような深刻な葛藤に直面しない人は、めったにいないのではないでしょうか。恋愛結婚であれ、見合い結婚であれ、いかなる形の出会いであれ、結婚生活を始めれば、相手の嫌な面を数多く見ることになります。そして、傷つけ合い、許し難いという思いに葛藤することが起きてきます。その亀裂を修復できないまま、破綻へと至る夫婦が年々増えています。前の人はひどい人だった。この人はいい人だと思って再婚したがまたうまくいかない。別れてまた次の人を探す。アメリカではそれを繰り返す人が多いのです。

 やはり、いつかは超えなければならないのです。

 夫婦のどちらかが、許せないという感情を超えて、まず最初の愛の行動をとればいいのです。そのとき、

 「えっ、あんなひどいこと言ったのになんで尽くしてくれるの? ……私も、少し素直になってみるか……」という変化が起こる。そこから、今まで、左回りばかりに回転していた歯車が右回りに回転し始める。愛してくれたことが嬉しくて尽くしたくなる。すると、また、尽くされたことが嬉しくて愛したくなる。

 お互いが、相手のために尽くし合う「真の愛の世界」が生まれてくる。それはもはや恋愛の愛ではない。もっと深く、もっと永遠のもののような気がする。この愛こそが私たち夫婦・親子を強く固く結んで幸せに導いてくれるものに違いありません。夫婦が本当に心から尊敬し合い、愛し合うことができるようになるには、そのような本物の愛を掴み取っていかなくてはならないのではないでしょうか。

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 次回は、「永遠に一緒にいても楽しい夫婦とは」をお届けします。


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