https://www.kogensha.jp/shop/detail.php?id=4175

家族の絆づくり 289
3現主義」で本質をつかむ

ナビゲーター:阿部 美樹

机上の空論になっていませんか?
 私たちは、物事を自分で確かめずに、つい勝手な推察や憶測をもとに判断しがちです。
 報告書のコメントや数字に目を通しただけでは、一側面の偏った情報での理解にとどまってしまう可能性もあります。
 まさに、「机上の空論」になるということです。

 これでは、問題の処理はできても、本質的な解決に至らない場合が多いものです。
 いずれ大きな失敗を生み、「まさか、そんなことになっているとは知らなかった」と反省することになるかもしれません。

 それを防ぐためには、面倒でも問題や事件が発生した「現場」に足を運ぶことが大切です。
 良い事例を把握する場合も、報告書だけで理解するのではなく、直接足を運んでこそ、現場の空気を理解することができます。

 また、「現物」を目で確認すること、手で確かめること、肌で感じることが大切です。
 人は頭で「思考」して理解するだけではなく、五感での「感性」を通して理解するものです。
 視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚を総動員し、本質をつかむアンテナの感度を高める必要があります。
 そうすれば、第六感のような「直観」が鋭くなることでしょう。

 このように、何が起こっているのか。何が問題なのか。何が素晴らしいのかなど、「事実」を正しくつかまないと本質は見つかりません。
 答えを見いだすヒントは事実の中にしかないからです。

「現場」「現物」「現実」でこそ幸せを実感
 「現場」「現物」「現実(事実)」という「3現主義」でこそ、問題の本質をつかむことができます。
 今の時代は便利になり、インターネットを活用してリモートでのコミュニケーションが可能になりました。
 しかし3現主義に基づいて大切な内容や大切な時には直接足を運び、顔を合わせて語り、現実を見極めることも大切です。

 ところで、3現主義で本質をつかむだけでは、問題は解決できません。
 それに対して、可能な限り「即時」「即座」「即応」して対処する「3即主義」も必要です。
 その対処方針が決定されれば、一時的な取り組みになったり、中途挫折にならないように、「徹頭」「徹尾」「徹底」するという「3徹主義」も大切です。

 これらは、企業や組織における取り組みだけでなく、身近な個人の人生や家庭の幸せも同じです。
 ある有名な観光地の特徴や見どころ、評判をいくら詳しく知っていても、具体的に現地に行って、見て、触れて、味わってみなければ、その素晴らしさを実感することはできません。

 幸せになるためにこうしたいといくら思考しても、実際に体を動かして取り組まなければ、幸せは実現しないのです。
 改めて、「3現主義」から見直してみましょう。