家族の絆づくり 287
発展の原動力「MVV

ナビゲーター:阿部 美樹

MVV」とは何か?
  企業などの組織を発展させるためには、「MVV」が大切だといわれます。
 それは、「ミッション(Mission:役割・使命)」と「ビジョン(Vision:将来像・夢)」と「バリュー(Value:価値・判断基準)」の三つです。

 企業では、「社訓・社是・クレド」などとも呼ばれる「企業理念」です。
 発展する企業や成功した社長などを見ると、必ず明確な「企業理念」を持っています。順調な時も逆境の時も等しく貫かれる信念のようなものです。

 ミッションとは、果たさなければならない役割、社会に提供する価値、存在する意義を表したものです。
 ビジョンとは、将来の在るべき姿や中長期的に目指す目標像を、イメージが湧くように表現したものです。
 バリューとは、何を大切にしてミッションやビジョンを実現するのか、判断・選択・行動する時の価値基準、物差しになるものです。

 「なぜ(Why)それをやるのか?」という問いに答えるのが「ミッション」であり、「何を(What)やるのか?」という問いに答えるのが「ビジョン」です。さらに、「どのように(How)やるのか?」という問いに答えるのが「バリュー」となります。

 例えば、わが社のミッションは「〇〇の分野を通して、全ての人が幸福に暮らせる社会をつくること」であり、ビジョンは「世界中のお客さまから感謝される企業となること」であり、バリューは「お客さまを第一に考え、常に新たな挑戦を続けること」などとなります。

「私のMVV」を考えてみよう
 このような企業理念を明確にして社員・従業員に啓蒙して共有すれば、組織全体が同じ役割、同じ目標、同じ価値観を持って活動することができるので、力を一つに結集することができます。
 四肢五体のバランスが良ければ、最大限の力を発揮するように、組織が一つになることで最大限の力が発揮されることでしょう。

 このMVVを決定する時に、リーダー一人で決める場合もあるし、構成員の多くの意見を聞いたり、全体で討論したりして決定する場合もあります。
 いずれにしても、大切なことはリーダーがMVVを重要視することです。リーダーは組織の中で、方向性や戦略、企画など多くの決定をする立場だからです。

 これらのMVVは、組織だけでなく、個人の人生においても同じように大切になります。
 私は、「私の人生を決定する最高責任者」だからです。
 人生設計を立てる時、仕事の選択をする時、身近な行動計画を立てる時など、さまざまな場面で生かされます。

 「あなたは何をやるのか?」というビジョンを考えてみましょう。
 「なぜ、それをやるのか?」というミッションを考えてみましょう。
 さらに、「どれをどのようにやるのか?」「何を大切にして取り組むのか?」というバリューを明確にしてみましょう。