家族の絆づくり 286
3M」はないか?

ナビゲーター:阿部 美樹

非効率な「負荷」「余剰」「バラツキ」
 「3M」という言葉を聞いたことがありますか。
 これは「ムリ・ムダ・ムラ」の「3M」です。「3ム」、語尾を取って「ダラリの法則」と表現する場合もあります。
 活動や仕事の効率化をするための基準です。

 日々の繰り返される活動の中に、「ムリ・ムダ・ムラ」という非効率な問題が隠れている場合があります。それらを洗い出して、適切な手を打てば、有効かつ効率的な改善ができるかもしれません。

 「ムリ(負荷)」とは、必要とされるもの(目的)に対して、供給(手段)が下回り、過度な負担がかかっている状況です。
 この状態が続くと、どこか別のところにしわ寄せがいったりするなど、いずれ限界を越えて破綻する恐れがあります。

 例えば、「計画のムリ」「能力のムリ」「工程のムリ」「品質のムリ」「価格のムリ」「納期のムリ」などです。

 「ムダ(余剰)」とは、必要とされるものに対して供給が上回り、余っている状況です。貴重な資源を浪費してしまっているわけです。

 例えば、「時間のムダ」「作業のムダ」「重複のムダ」「場所のムダ」「在庫のムダ」「管理のムダ」「移動のムダ」「情報のムダ」「調整のムダ」などです。

 「ムラ(バラツキ)」とは、バラツキがある状況であり、ムダとムリが交互に現れていると考えると分かりやすいです。

 例えば、「手順のムラ」「時間のムラ」「品質のムラ」「管理のムラ」などです。

徹底的にムダをなくすためには?
 このような「ムリ・ムダ・ムラ」は、三つとも非効率の現れであり、何らかの手を打たなければ、大きな問題を生み出す元凶となります。

 三つの中で、最も問題視されるのが、「ムダ」です。活動の改善をするためには、「徹底的にムダをなくす」ことが求められます。そのためには、余分な仕事、機能、手順をやめること、重要でない仕事や作業を断るなどの「排除」が必要です。

 重複している機能を一つにまとめること、分業をやめて仕事を一本化するなどの「統合」をすることも大切です。
 また時間や場所、担当者ややり方を換える「交換」、工程や手順を短くする「簡素化」も必要かもしれません。

 いずれにしても、矛盾を感じながら「仕方がない!」と決めつけるのではなく、改めて「何のためにやっているのか?」「それが必要なのか?」「他の方法はないのか?」などの問いかけをすることが必要です。
 そうすれば、大きな改善に結び付くことがあります。