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家族の絆づくり 285
PREP(プレップ)」で分かりやすく伝える

ナビゲーター:阿部 美樹

「話したいこと」ではなく「聞きたいこと」を話す
 いくら一生懸命伝えても、相手に伝えたいメッセージが届かない場合があります。
 コミュニケーションの効果は、相手がどれだけ受け止めたかによって決定します。時間をかけて話したから、相手が理解を深めるわけではなく、具体的な話をしたからといって、必ずしも分かりやすいわけではありません。
 相手にメッセージが届くためには、相手が受け止めやすく伝える力が必要です。

 伝わりにくい話は、「長い」「難しい」「印象が薄い」という特徴があります。
 反対に、伝わりやすい話は、「簡潔で」「分かりやすく」「印象深い」のが特徴です。

 また、「自分が話したいことを話す」のではなく、「相手が知りたいことを話す」という心がけが必要になります。

 自分の話し方は伝わりやすいのか、それとも伝わりにくいのかを再度チェックしてみましょう。

4段階の話し方」を心がける
 相手に伝わりやすい話し方を紹介します。それは、「PREP(プレップ)」という4段階の伝え方です。

 第一は、結論の「要点(Point)」を伝えるということです。
 まず「私は◯◯だと思います」「私はその意見に反対です」という結論的要点を明確にします。

 案外、結論を最後に伝える人が多いものです。しかし相手が一番聞きたいのは「結論」です。最初に結論を伝えると、しっかりと伝わります。

 第二は、「理由(Reason)」です。
 「なぜなら、□□だからです」「理由は三つあります。一つは◯◯で…」と、第一の要点に対しての根拠や理由を伝えます。

 相手は結論を聞いた瞬間から「なぜかな?」という疑問を持って聞いているので、それに対して答えるように伝えます。

 第三は、「事例(Example)」です。
 「例えば…」「具体的に言えば…」と裏付けする事例やデータを挙げるとイメージが膨らんで分かりやすくなります。

 最後は、「結論(Point)」です。
 「だから◯◯なのです」と、まとめて結論をもう一度伝えます。

 このような4段階の「PREP」を心がけると、論理的で説得力のある話し方になります。

 この中で、説得力に最も影響力があるのが、第二の「理由」のところです。
 誰が聞いても受け入れることができる妥当な根拠をそろえないと、メッセージの正しさを証明できません。

 常に「なぜなのか?」と自問自答しながら、理由を説明する言葉を探すことを心がけましょう。