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終活ポイント講座 4

 『祝福家庭』(2020年春季号、夏季号、秋季号)に掲載された「終活ポイント講座」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 「老後」と「聖和」に対する備えに関して、行政書士の石原登文先生(6000双)に解説していただいています。

※法律や制度は2020年9月時点のもので、今後、変わることがあります。

6 高齢者の自動車運転免許の更新と返納制度
 70歳から74歳の人が自動車運転免許を更新する場合、まず「高齢者講習」を受講する必要があります。

 75歳以上の人は、認知機能検査を受けて、問題がない場合に「高齢者講習」を受講します。

 運転免許が不要になった人や、加齢に伴う身体機能の低下等のため、運転に不安を感じるようになった場合は、自主的に運転免許証を返納することができます。管轄の警察署または運転免許センターで返納手続きが行えます。返納すると「運転経歴証明書」が発行され、顔写真、名前、住所などが記載された身分証明書として使用できます。

7 エンディングノートと延命治療

エンディングノートについて
 エンディングノート(「メモリアルノート」)とは、高齢者が自身の死に備えて、あるいは判断力や意思疎通能力の喪失を伴う病気にかかったときのため、あらかじめ希望を書き入れておくノートのことです。

 法的効力を有する遺言書とは異なり、家族の負担を減らすことを目的にしています。

 書籍や文具として発売されているエンディングノート以外にも、自治体やNPOなどが作成し、終活に関する講座を開いている場合があります。それぞれ、内容面で独自に工夫がされていますが、特に記入しておくべき主な内容は次のとおりです。

○病気、病院、延命治療
○希望する介護
○財産や貴重品の処分
○葬儀について、財産の相続
○プロフィール、自分史、家族・親族のこと
○延命治療について

『メモリアルノート』(光言社)

 突然の病気や事故で倒れ、快復の見込みがない場合、家族は医師から「延命装置をつけるかどうか」の判断を迫られます。

 延命装置は、一度つけてしまうと、外すタイミングが難しくなります。外すことで、その方が亡くなる可能性があるからです。

 このような場合に備えて、元気なうちに家族とよく話し合っておく必要があります。病院に駆けつけた家族がその場で判断するのは、とても難しいのです。

 エンディングノートへの記載の一例を挙げると、「とりあえず、延命装置をつけてください。そして集まるべき人が集まったら、その時点で外してください」と記入する人もいます。

 それは、ずっと身動きできないまま、呼吸だけをしているのもつらいし、高い医療費を家族に負担させたくないとの思いからです。

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 次回は、「財産情報の整理」をお届けします。