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ダーウィニズムを超えて 24

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「ダーウィニズムを超えて」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 生物学にとどまらず、社会問題、政治問題などさまざまな分野に大きな影響を与えてきた進化論。現代の自然科学も、神の創造や目的論を排除することによって混迷を深めています。
 そんな科学時代に新しい神観を提示し、科学の統一を目指します。

統一思想研究院 小山田秀生・監修/大谷明史・著

(光言社・刊『ダーウィニズムを超えて科学の統一をめざして』〈2018520日初版発行〉より)

第二章 進化論を超えて─新たな展望

二)自然選択からデザインへ

(3)エピジェネティクス(Epigenetics
 エピジェネティクスについて、武村政春は次のように説明している。

 DNAは、受精卵から発生が始まったのち、後成的なしくみによって、細胞ごとにいろいろな姿へと変化していく。体型や顔かたち、性格などに違いを生じたりするのは、細胞によって、個体によって異なる方法で付け加えられるからなのである。このしくみを研究する学問、そしてそのしくみそのものを「エピジェネティクス」と呼ぶのである(*41)。

 エピジェネティクスに関与しているのは、「ヒストンのアセチル化(histone acetylation)やDNAのメチル化(DNA methylation)」と「ノン・コーディングRNAnon-coding RNA)」であり、どれも遺伝子発現をコントロールしているのであるが、その“やり方”が違うし、またどのレベルでコントロールしているかも違うのだという(*42)。

 エピジェネティクスも、盲目的なものでありえない。ホックス遺伝子と同様、生命の波動、そしてロゴスによってコントロールされているのである。

4)生物種の爆発的な出現の謎
 ダーウィンは、「自然淘汰は、日々刻々と世界中でわずかな変異を精査している」と言って、種は徐々にゆっくりと進化するという、漸進的進化論を主張した。ところが生物は徐々にゆっくりと進化したのではなく、ある時期に、突然、爆発的に出現したのであり、ダーウィンの漸進説とは異なっているのである。ロバート・オークローズ、ジョージ・スタンチューは次のように説明している。

 カンブリア紀には、さまざまな種類の無脊椎動物が、突如として、それも完成されたかたちでたくさん出現した。オルドビス紀には、中間段階を経た証拠もないままに、さまざまな種類の魚がたくさん出現している。白亜紀には、顕花植物が唐突に出現している。この場合も、それ以前に出現していた種類から起源したという手がかりは残されていない。しかも、最古の化石でさえ、すでに驚くほど多様化しているのである。……そのような放散に見られる典型的な様相は、ダーウィニズム流の漸進論とは好対照をなしている。ダーウィン自身はそのことをよく認識し、顕花植物の突然の出現と早々の多様化を「いまいましい謎」と呼んでいた。ダーウィンはまた、カンブリア紀における無脊椎動物の瞬時としか思えない多様化は、自分の説では説明できないことを認めていた(*43)。

 特に、カンブリア紀の爆発に関しては、その生命の「爆発」はなぜ起こったのか、そして、そのわずか数百万年の間に多くの新しい種類の動物が現れたのはどうしてなのか、と大きな謎になっている。


*41 武村政春『DNAを操る分子たち』技術評論社、2012年、3233頁。
*42 同上、15253頁。
*43 ロバート・オークローズ、ジョージ・スタンチュー、渡辺政隆訳『新・進化論:自然淘汰では説明できない』平凡社、1992年、29192

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 次回は、「統一思想の見解」をお届けします。


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