https://www.kogensha.jp/shop/detail.php?id=4162

世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

また異変! 中国国家主席が欠席するG20

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、94日から10日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 米国がロシアへの武器支援巡り北朝鮮に警告(95日)。ロシア軍大尉がウクライナに亡命し、「侵攻反対」記者会見(5日)。米国がウクライナへの劣化ウラン弾供与を発表(6日)。建国75年、北朝鮮で軍事パレード(9日)。インドでG20首脳会議開催、習近平主席欠席(9日)、などです。

 インドで99日~10日に、G2020カ国・地域)首脳会議が開催されました。
 ところが、習近平国家主席は欠席したのです。中国はこれまで、米国に対抗する戦略を前提に、G20の枠組みを重視してきました。G20首脳会議にはトップの国家主席が必ず出席してきたのです。大げさではなく、何があったのかとの疑念が世界中に広がっています。

 欠席の理由は明らかになっていません。G20サミットは、2008年に米国発の世界的金融危機・リーマンショックに対応するため、先進国と新興国が協議する場としてワシントンで初開催されました。
 当時、中国は4兆元(当時のレートで約57兆円)もの大型景気対策を打ち出して世界経済の回復に貢献したのです。北京オリンピック開催と相まって、中国の国際的評価は一気に高まりました。

 中国外務省の毛寧報道官は94日の記者会見で、習氏の欠席理由には触れませんでした。繰り返しになりますが、中国はこれまで、G7への対抗軸の一つとしてG20の枠組みを重視していると受け止められてきただけに、「衝撃」でした。

 欠席理由についての想定報道もあります。香港英字紙、サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は91日、「インドとの緊張に加え、習氏がG20で温かい歓迎を受ける可能性は低いと中国政府が結論を下したのではないか」との専門家の見方を伝えています。
 記されている「インドとの緊張」ですが、実は828日、中国の自然資源省が公表した新たな地図が国際的批判を浴びているのです。

 新しい地図には、沖縄県の尖閣諸島を中国名「釣魚島」と表記、南シナ海のほとんど全域を自国のものとしている、インドとの係争地も自国領と表記、中ロ国境に位置する大ウスリー島のロシア領部分も中国領に、九段線を台湾東方海域にまで拡大した「十段線」を記している、ボルネオ島沖のマレーシアの排他的経済水域と重なる海を中国の水域とした、などです。

 ベトナム、マレーシア、フィリピンなど周辺諸国が一斉に反発しました。中でも、公然たる批判はしていませんが、「インドとの係争地を自国領と表記した」ことは深刻です。昨年12月にも「衝突」が起きているのですから。

 他方、習氏が外遊の機会を減らしているとの見方もあります。70歳を迎えた習氏の健康への配慮や、外遊機会を厳選することで「権威強化」=毛沢東化につなげる狙いもささやかれています。

 中国は今後、10月に北京で「一帯一路」関連の国際会議を開く予定であり、そこにはロシアのプーチン大統領を招待しています。プーチン氏も訪中の予定です。
 また11月には、米サンフランシスコでAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議が開催されます。いくらなんでも習氏が参加しないということはあり得ません。
 今後の動向を注目していきたいと思います。



★おすすめ関連動画★

ザ・インタビュー 第29回
【渡邊芳雄・国際勝共連合常任顧問に聞く(その1)「『勝共』~神を否定する共産主義に打ち勝つために】

U-ONE TVアプリで視聴する


ザ・インタビュー 第30回
【渡邊芳雄・国際勝共連合常任顧問に聞く(その2)「神と共に生きる共同体理想の実現を目指して」】

U-ONE TVアプリで視聴する


ザ・インタビュー 第31回
【渡邊芳雄・国際勝共連合常任顧問に聞く(その3)「神は私と共に生きて今ここにいらっしゃる」】

U-ONE TVアプリで視聴する

---

 U-ONE TVの動画を見るにはU-ONE TVアプリが必要です!
 無料ですので、ぜひダウンロードしてご活用ください。

ダウンロードはコチラから

Android

iOS

ダウンロード方法について

▲画像をタッチすると視聴できます