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信仰生活講座 6
授受作用とは相手に共感すること

 2008年から2009年にかけて『中和新聞』(タブロイド版)で連載された「信仰生活講座」を8回シリーズでお届けします。執筆者は、多田聰夫氏(本部伝道教育部長/当時)です。
 信仰生活における課題解決にご活用ください。(一部、編集部が加筆・修正)

授受作用とは相手に共感すること~“一心”になれば喜びと希望が湧く

“父母への憧れ”が信仰を深める
 21世紀になり、社会がどんどん変わりつつありますが、私たちも時の願いを感じ取って変化し、成長していく必要を感じます。個人の信仰から、家庭を意識した信仰へと成長する時代を迎えているのです。また信仰だけではなく、信仰を土台として愛が成長することが願われています。それが特に願われる場が「家庭」です。

 み旨とは、神のもとの人類一家族、そして理想家庭の完成です。ですから、慕わしい父親を憧れながら信仰を深める、慕わしい母親を憧れながら信仰を深める、また、神のもとの人類一家族を憧れながら進んでいくのです。憧れがあれば、信仰はしっかりと成長していきます。

授受作用と責任分担で愛が成長
 信仰や愛が成長するには、「授受作用、責任分担」が大切なキーワードになります。

 授受作用は、主体と対象の心が“一心”になるためのものです。一心になれば、喜びが湧いてきますし、希望を感じることができます。

 授受作用は、相手の言おうとしていることと、その気持ちに共感することです。相手は、自分の気持ちや考えていることにこちらが共感していると、それを愛と感じます。ですから授受作用において大切なのは、相手の話を心から聞きたいと思って接することです。話を聞いていると、途中で思わず口を挟みたくなったり、一言言わないといけないと思ったりしてしまいます。しかし、それでは授受作用になりません。

 例えば、親は子供に対してつい、「テレビばかり見ないで、勉強しなさい」「ゲームばかりしているじゃないの。もうやめなさい」「部屋が散らかっているから片付けなさい」などと、子供の行動ばかりを変えようとしてしまいます。親は次第にいらいらして平常心を失い、子供に悪いイメージが残ってしまいます。

 いつ親として子供の心を理解したいと思ったでしょうか。そのことを問いながら、子供の心に共感してあげようと思うことが大切です。常にその心を忘れず子供と接することを通して親の愛は成長します。そして、子供への信頼をなくすことなく、授受作業が深くなっていき、親子が強い愛の絆で結ばれていくのです。

自由意志で果たす責任分担
 相手と一心の関係になれば、相手の心を自然に感じるようになるので、自分がすべき責任分担や、相手がすべき責任分担を理解するようになります。自分の責任分担を理解するには、原理を理解することも必要ですが、もう一つは相手の心に共感することが不可欠です。人間の責任分担は、自由意志でなければなりません。自由意志でない行動は心をかたくなにし、創造性や主管性の成長の妨げになることもあります。

 親は、子供がだらだらしていると心配になって、ああしなさい、こうしなさいと口やかましく言いがちです。また必要以上に教えてしまったり、全部やってあげたりしてしまうこともあるでしょう。そうすると子供はますますやらなくなり、ついにはその子の個性の成長を妨げてしまうことになりかねません。

 自立をする年齢になれば自分で考え、自分で行動したくなります。親がもし子供の心の成長の時を理解しなければ、親と対立してでも子供は自立を目指します。これが子供の反抗期を形成しているのです。子供の責任分担と親の責任分担との区別をすることができる親になることが大切です。

 私たちは原理を学んできましたが、21世紀はその原理の生活化を強く心がけていくことにより、信仰を土台とした愛が成長する道を間違いなく進んでいくことができます。激動する21世紀に、社会の希望となる「世の光、地の塩」となっていきましょう。

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 次回は、「相手を尊敬することで愛が成長」をお届けします。


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